国のやること、ほんとに多い。

今日のNHKのニュース、パラリンピックに相当の時間を割いていた。
なにしろ、スキー・ノルディックで金を取り、アルペン座位の滑降では、銀と銅を取ったんだから。
日本のアルペン陣は、男女とも強いな、ということは感じていたが、ノルディック距離10キロのクラシカルで、新田佳浩が優勝したのには、驚いた。距離スキーは、どう考えても体力勝負で、オリンピックでも日本の得意とする種目ではない。北欧の選手が強い。パラリンピックでも、同様であろう。その中での、大差をつけての勝利、凄いものだ。
新田は、日本選手団の主将。さらに、初の金メダルということもあってか、鳩山由紀夫がお祝いの電話をかけたそうだ。そこで、新田は鳩山に、こう言ったそうだ。国として、障害者のスポーツに、パラリンピックのメダリストに、もっと報奨金を出してほしい、と。鳩山、考えたい、と言ったそうだ。
そういうこともあってかNHK、ニュースの中で、パラリンピックの選手が、いかに厳しい状況の中で戦っているか、競技を続けているか、ということに触れていた。フィジカルな面でなく、経済的な面で。
ドイツでは、オリンピックの選手とパラリンピックの選手とは、国からの支援は、まったく同じだそうである。ところが、日本では、パラリンピックの選手の国からの支援は、オリンピックの選手の1/10、だそうだ。オリンピックの選手支援でさえ、欧米や中国、韓国に較べ、少なすぎると言われているのに、その1/10とは。パラリンピックの選手が歎くのは、当然だ。
NHKの番組の中では、車椅子カーリングのスキップを務める選手の話や、視覚障害のスキー選手の話も出てきた。彼ら、パラリンピックに出るために、大変な努力をしている。技術的な努力でなく、それ以前の努力、競技を続けるための、経済的な努力をしなければいけないんだ。パラリンピックで戦うためには。
国を代表して戦う選手には、それ相応の国の支援があって然るべき。鳩山も、そう思ったようだが、誰でも、そう思う。
昨秋の、事業仕分けのことを思いだす。スーパーコンピューターや宇宙開発予算を削った時には、歴代のノーベル賞受賞者がズラッと並び、”なんたることだ”、と政府を攻撃した。芸術関連予算を削った時には、小沢征爾が小沢一郎の所に行った。スポーツ関連の時には、スポーツ選手が声を挙げた。みな大事な分野だ、国にとって。
税収の少ない中、国にとって、国のやるべきこと、ほんとに多い。
先日開港した茨城空港など、初めから赤字が決まっているもの。もう、狭い国土にあんな空港などは、造らないだろうが、今までの地方空港の2〜3割でも造らなかったとしたら、国にとって必要な科学分野、芸術分野、スポーツ分野、などには、もっと金がまわせただろう。今さら言っても、後の祭りであるが。
それはともかく、アイススレッジホッケー準決勝で、日本は、カナダを破った。カナダは、前回トリノの優勝国。日本は、今まで11戦して、1回も勝てなかった国だという。そのカナダに、3対1で勝った。2点目のパス回しからのシュート、凄かった。鮮やかなもの、美しい、といってもいいものだった。
決勝の相手は、予選でコテンパンにやられたアメリカ。今、世界ランク1位の国。強敵以上の強敵だが、カナダに勝った勢いを持続し、撃破してもらいたいものだ。