文化の違いだけか?

今日、海上保安庁は、シー・シェパードのメンバー、ニュージーランド国籍のピーター・ベスーンを逮捕した。
2月15日、南極海で、日本の調査捕鯨船、第2昭南丸に侵入してきた男だ。そのひと月ほど前には、SFに出てきそうな3胴の高速船・アディ・ギル号で、体当たりをかましてきた男であり、その後も、薬品入りのビンを投げ込んで、捕鯨船員に火傷を負わせてもいる容疑もある。
シー・シェパードの本部は、アメリカにある。代表のポール・ワトソンは、カナダ人だが、主な活動拠点は、オーストラリアに置いている。南氷洋に近いためだろう、とは思うが、どうも、そうとばかりじゃない理由もあるのでは、とも思われる節もある気もする。
シー・シェパード、「海洋野生生物の、生息環境の破壊と虐殺を終わらせる」、ということを、目標としているそうだ。”環境破壊と虐殺に立ち向かう戦士”(アメリカのテレビ番組で、「鯨戦争」として、彼らをヒロイックに扱ったものもあるそうだ)、と自らを称し、過激な行動を繰り返す。
エコテロリストとして、FBIの監視下にもあるらしい。
彼らの活動資金は、年間500万ドル。多い、とも言えるし、その程度か、とも言える額だが、欧米の賛同者からの寄付である。今日捕まったピーター・ベスーンが船長だったアディ・ギル号の名も、100万ドルを寄付したアメリカ人の名から付けたそうだ。
しかし、彼らの妨害行動、体当たりやレーザー攻撃もさることながら、その主目的は、ことを起こし、それが各国のメディアに大きく報じられることにある。だから、今日の逮捕劇も、彼らにとっては、思う壺、ということであろう。これから続く日本での裁判も、彼ら、シー・シェパード、ほくそ笑んでいるかもしれない。”日本は、餌に食いついてくれたな”、と言って。
国際条約に則った日本の調査捕鯨に対する犯罪、日本の国内法に則り、厳正に、粛然と、進めてもらいたい。
それにしても、捕鯨国は、日本以外にも幾つもある。ノルウェー、ロシア、アイスランド、デンマーク等々、と主にヨーロッパの国々だ。以前は、たしか、ノルウェーの捕鯨船などにも妨害行動を行っていた。それが、このところ報じられるのは、日本の捕鯨船への攻撃ばかり。どうしたことなんだ、これは。
上の方で、”どうも、そうとばかりじゃない理由もあるのでは、とも思われる節もある気も”、なんて、何とも締まりのない書き方をしたのも、そのワケは、ここにある。文化、ということを考える。民族固有の。
食文化も含め、それぞれの民族固有の文化はある。また、何に重きを置くか、という民族それぞれの考え方の違いもある。それは、致し方ないし、お互いに尊重すべきものだろう。自らの考えを押しつけるのは、よくない。それ以上に、日本への攻撃、別の面もあるような気も、しないではない。
レイシズム、と声高には言いたくはないが、彼らの言うことや、その行いを見ていると、そういうことも少しは感じる。私の知り合いには、いわゆる白人も何人かいるが、シー・シェパードの連中の顔付は、私の知り合いの人たちとは、まったく違う。もちろん、話すことも。
シー・シェパードの連中の言っていること、また、行っていること、単なる文化の違いだけか、と思わざるを得ないこと、そこにある。
なお、明日から、カタールのドーハで、ワシントン条約締約国会議が始まる。クロマグロを、「絶滅の恐れがある種」、に指定すべきかどうかの。