実力差。

特に大きな失敗が、あったワケではない。4人それぞれ、普段通りのジャンプではなかったか。
スキージャンプ団体、日本は、5位であった。実力通り、妥当な結果だろう。ひょっとすると、ひょっとするのでは、なんて言われていたが、そうはならなかった。ライバルチームの誰かが失敗すれば、という状況だったのだろう。それでは、勝てない。
メダルを取った、オーストリア、ドイツ、ノルウェー、に較べ、明らかな実力差がある。妥当な結果、結果は正直、と言わざるを得ない。
日本チームの主将で、39歳と最年長の岡部孝信は、団体戦でも、メンバーから外れた。今ひとつの、若い竹内か栃本のどちらかを外し、岡部を入れた方が、と思っていたが、そうはならなかった。
年齢というよりも、岡部の調子が、若い2人よりも悪かった、ということのようだ。岡部は残念だったろうが、これも致し方ない。
一人気を吐き、2回目で140メートルを飛んだ、37歳の葛西の言葉がよかった。「兄さんの分まで背中にしょって、飛ぼうと思った」、という言葉が。”兄さん”とは、メンバーを外れた、39歳の岡部のことだ。
3勝3敗でむかえた、カーリングの第7戦、トリノの銀のスイスに敗れた。第8エンドで10対4、コンシード(ギブアップ)した。完敗だ。これで、日本は、3勝4敗。自力での一次リーグ突破は、なくなった。
スイスのスキップのオットという選手の、ショット成功率、94%。成功率70%なら、優秀だそうだから、いかに凄い技術を持っているかが解かる。それも含め、やはり、実力の差が出た、ということだろう。
世界ランク9位の日本、出場10チームのほとんどは、格上のチーム。今まで、それにしては、いい勝負をしているじゃないか、互角に戦っているじゃないか、と思っていたが、やはり、ここ一番というところでは、実力差がでる。これも、仕方ない。
あと2試合ある。楽しませてもらおう。
今日の朝日夕刊に、長野の金メダリスト・清水宏保が、「スポーツ後進国 日本」、という文を書いている。清水は、国のフォローが少ないことや、JOC(日本オリンピック委員会)の体質について、疑問を呈している。韓国の例、ヨーロッパの例、などを挙げ、「日本にスポーツ文化を確立させるため、国もJOCも努力を惜しまないでほしい」、と結んでいる。
清水のいうこと、もっともである。オリンピックの時には、国民をこれほど楽しませてくれるのだから。国のフォローも、もっとあって然るべしだろう。だが、残念ながら、今の日本には、その余裕がない。清水も指摘しているように、事業仕分けで、スポーツ予算も削っているんだから。しかし、昔の社会主義圏のステートアマとはまた別種の、国による選手養成の施策、というものも何か考えられるんじゃないかな。
JOCの体質については、清水、よく言った。オリンピックには、4回も出て、金メダルばかりか、銀も銅も取っている清水、将来、JOC関連の幹部になることもあろう、と思われるが、今のJOCの体質に対する批判、勇気のいるものである。
こういう男のいること自体、将来の日本のスポーツ界にとって、少しは明るい動きもあるのでは、と思わせる。今は、外国の選手に、実力の差を見せつけられているが。