地味な競技にも、ドラマがある。

カーリング女子、今日は、強豪国のひとつイギリスを破った。これで、2勝2敗。なかなかやるもんだ。
出場10チーム中、おそらく、ほとんどのチームは、格上であろう。しかし、今日までの試合を見ると、ほぼ互角に戦っているように見える。世界ランク1位のカナダには、惜敗だし、中国には、ちょっと突き放されたが、アメリカには、ミリ単位で勝ったし、カーリングの本家・イギリスにも勝った。
特に、今日のイギリス戦は、双方ナイスショットの応酬で、好勝負だった。試合内容は、日本がリードし、押してはおり、結果としては、11対4となり、圧勝といえば、そうであるが、双方互角の好取組、というように思えた。
6対4、日本リードでむかえた第9エンドのラストショット、スキップ、目黒萌絵が、絶妙のショットを放ち、大量5点を奪った。これで、勝負あり。イギリスチームは、コンシード(参りました)、握手を求めてきた。一次リーグ突破には、まだまだ格上のヨーロッパの国々(特に、スウェーデンとスイスが、強いそうだが)を倒さなくてはならないが、ひょっとすると、ひょっとするかな、とも思えてくる。
この4日間、強豪チーム相手に、一歩も引かぬ、堂々の四つ相撲を取っているんだから。
バンクーバー大会、日本選手団の最年長選手、45歳のスケルトン選手・越和宏は、今日、彼の現役最後の滑りを終えた。
越が、スケルトンに取り組んだ時には、彼以外、日本には、選手がいなかったそうだ。オリンピック出場3度、今日は、20位だった。「もう限界値。自分の経験を、次世代に受け継いでいくのが使命」、と現役引退を発表した。
その次世代の男のひとり、田山真輔は、今日は、越よりひとつだけ上の19位、世界との差は、大きい。世界でメダルを狙う男を育てる、という越の使命、彼の現役時代の時間より、はるかに長くかかるかもしれないな。
そのスケルトンの優勝者は、カナダのモンゴメリー。3回目まで首位に立っていた、バルト海の小国・ラトビアのデュクルスという選手を、逆転で破った。4回の合計タイムで、その差、7/100秒だった。ラトビアの選手に勝たせたかったが、逆転された。
1991年、旧ソ連から独立を果たしたラトビア。その時、ラトビアにあった冬季競技の施設は、ソリ競技の施設しかなかった、という。だから、ラトビアで、世界と勝負するには、ソリ競技しかなかったそうだ。今回のバンクーバーには、スケルトンはじめ、リュージュ、ボブスレー、といったソリ競技に20人の選手を送り込んだそうだ。
そういう解説を聞いたので、秘かに、ラトビアの選手を応援していた。惜しくも逆転され、銀メダルとなったが、大したものだ。なおかつ、この2位の選手の兄貴だったか弟だったかが、4位に入った。
さらに、このスケルトン、3位になったのが、ロシアの選手だったので、ラトビアでは、国民すべて(全人口、200万ちょっとしかいない国だが)、余計に、残念無念、悔しがっていることだろう。
7/100秒差で、金メダルを逃がしたのも残念だが、ロシアを負かし、2,3位になれなかったのが、より悔しい、と言って。