二つの”〜ション”。

雨。
”〜ション”と後ろに、ションと付く言葉が二つ、今日のニュースで報じられた。直接には、関係のない事柄なのであるが。
ひとつは、北朝鮮のデノミネーション。あとひとつは、世界一有名なクリスマス・デコレーション。
北朝鮮のデノミネーションは、11月30日に突然国民に通知され、電撃的に実施されたらしい。新旧交換比率は、100:1、旧100ウォンが、新1ウォンとなる。ただし、交換期限は、12月6日まで。メチャクチャだ。
北朝鮮でも、やや市場経済化した面も一部にあり、また、ヤミで儲けている者もおり、貧富の格差が出てきているらしい。インフレにもなっているという。たんす預金をしている層もあるらしい。インフレを抑え、余計なたんす預金を焙り出すのが、理由のひとつ。
あとひとつの理由は、金正日の後継がらみ。前々回のデノミネーション実施の時も、金日成から金正日への移行前に実施されたそうだ。
だが、今回のデノミ、その詳細は、未だはっきりしていない。交換限度額も、朝刊では10万ウォンまでとなっていたが、夜の海外ニュースでは、15万ウォン(日本円では、3500円に相当とのこと)までと報じていた。さらに、それを超える分については、100:1ではなく、1000:1の交換比率なら可能、との話もあるそうだ。これも、メチャクチャだ。
当然のことながら、国内は混乱している、という。米やトウモロコシの値段は、5倍から20倍に高騰している、という。さらに、国営商店などでは、値段が決められないので、店を閉めているらしい。
反発の動きもあるらしい。当然だな。夜のBSニュースに出てきた慶應の先生によると、当局は、それを抑え込む自信があるから、やった、と言っていた。そうだろうな。
それよりも、ネットのニュースに、「北朝鮮の1世帯の生活費は、月に4万ウォン・・・」というものがあった。15万ウォンが、3500円相当だから、それから計算すると、4万ウォンは、1000円弱となる。
いかになんでも、1世帯が1月1000円弱で暮らせるか、と思い、もう一度見てみたが、4万ウォンとなっている。桁をひとつ間違えたのかな、とも思ったが、それなら1万円弱となり、多すぎる。やはり、1000円弱のようだ。
しかしなあ、デノミをやろうと何(核を除いては)をやろうといいが、平均的な国民が、そのような状態にある政体、また、政権は、やはり、おかしい。問題がある。牛丼の値段が200円台になり云々、ということが話題になるデフレの日本とは、まったく異次元の問題である。
だからといって、どうすることもできないが、北朝鮮の国民には、シンパシーの念、禁じ得ない。
もうひとつの”〜ション”は、世界一有名なクリスマス・デコレーション、ニューヨークのロックフェラー・センターのクリスマス・ツリーだ。昨日の夜、点灯された、という。コネチカット州から運ばれてきた高さ23メートルのツリー、3万個の電飾が灯された、という。
あれ、3万個か、たしか何年か前には、7万だか8万個の電飾だったような気がしたが、と思うが、3万でも、7,8万でも、さしたる違いはない。アメリカでも、その時々の状況により、多少の変化はあるんだ。
それより、マンハッタンのど真ん中に、デカいクリスマス・ツリーを立て、電飾を灯すことが重要なんだ。ニューヨーク市民にとって。アメリカ国民にとって。
いつの日か、政体が変わり、ピョンヤンのど真ん中に、デカいクリスマス・ツリーが立ち、電飾が灯る日が来ることを願うな、私は。さしあたり、電飾の数は、3千個程度でいいから。
あとひとつ、ツリーに関し、おもしろい映像があった。何日か前の映像だが。今日、二頭立ての馬車で運ばれ、ミシェル夫人と二人の娘が出迎えた、ホワイトハウスのクリスマス・ツリーのことについての。
ホワイトハウスのクリスマス・ツリーは、どうも、毎年コンテストで選ばれるようだが、今年は、ウェストバージニア州の老夫婦が育てた木が選ばれた。
老夫婦といっても、共に80代のジイさんバアさん。この二人、レーガンの時とあと一人、以前にも選ばれている、という。ホワイトハウスのクリスマス・ツリーにする為に、一所懸命、木を育てているんだ。バアさんの言った言葉が、良かった。こう言うんだ。
「お前は、クリスマス・ツリーになりたいか、それとも、パルプになって紙になりたいか」、と言うそうだ。毎朝毎朝、木に向かって言うそうだ。そうすると、ホワイトハウスのクリスマス・ツリーに選ばれるいい木になるそうだ。シワシワのバアさん、幸せそうな顔で、そう言っていた。
ピョンヤンとワシントン、ツリーぐらい、その木を育てるジイさん、バアさんぐらい、同じような思いを持てる時が来るといいな、と思う。
同じ”〜ション”とはいっても、その状況、あまりにも違う故、少し感傷的になったかな。