妖怪度。

晴れ。
今日、国民新党の亀井が、新党日本の田中康夫と「平沼グループ」の平沼赳夫に、合併呼びかけ、という報道があった。
年内をめどに、新党結成、ないしは国会内での統一会派を組む、というものらしい。新党結成後も、民主、社民との連立は維持、とのこと。来夏の参院選に向け、与党内での発言力強化が狙い、と報道にある。
亀井シンパの自民の議員や、この夏の衆院選で落ちた、前議員にも声をかけているそうだ。たしかに、このあいだの選挙では、自民の大物が多く落ちている。彼らも、これからの4年間の浪人は、辛かろう。4年後の保証もないし、亀井の誘いに、揺れ動く人も案外いるんじゃないか。
今、衆参合わせて、新党日本は2人、平沼グプープは3人だが、新党、ないしは統一会派を組み、次の参院選では民主と選挙協力を成せば、与党内での発言力、存在感は高まる、との思惑らしい。亀井は、その考えを、既に小沢にも伝え、理解を求めた、とのことも報じられている。
今の行政府、鳩山をトップに懸命にやってはいるが、右往左往もしている。小沢は、直接には、タッチしてはいない。だが、首相以下、各大臣の後ろには、小沢がいるのも実情。大臣である前に議員、与党議員であるからこそ大臣、といえる。その民主の幹事長として、生殺与奪の権を握っているのが小沢である。だれが、なんと言おうと。
本来、このような話は、相手方の党首に持っていくのが、筋だろう。が、おそらく、鳩山では話にならない。小沢でなくてはどうにもならない。亀井はまだしも、田中や平沼とは。ともかく、一筋縄では、いかない男たちである。鳩山は、自ら”宇宙人”と言っているそうだが、まあ、普通人である。
いいも悪いも、人の虚を衝く行動履歴を持ち、落下傘候補でありながら、公明の重鎮・冬柴を破った田中や、頭が高い、土下座しろ、というに等しい復党の誓約書に、一人拒否した平沼(強固な地盤ということもあろうが)とは、妖しさの程が違う。良くも悪くも、その自ずから持つ、妖怪度が違う。
亀井は、今の内閣では、時折りヘンなことも言っているが、基本的にいい人、という印象がある。その亀井も含め、亀井が声をかけた田中、平沼、小沢の面々の妖怪度を測ってみると(5点法で)、小沢 5、田中 4、平沼 3、そして、人のいい亀井は、2、であろう。かりに、鳩山の妖怪度も測れば、1.5くらいではないか。つまり、亀井と鳩山の二人は、妖怪度低く、ほとんど普通の人、となる。あくまでも、私の感覚的な測定だが。
よくもそんな、つまらないことを考えているな、オマエは、と思われるであろうが、実は、今日の亀井の画策する小さな記事を見て、妖怪という言葉を思い、その連想で、保守合同のことを、思ったからである。
この半世紀以上、日本を支配してきた”自由民主党”は、1955年(昭和30年)、三木武吉と大野伴睦、という二人の大妖怪(他にも多くの人が関わっているが、妖怪度では、この二人が突き抜けている)によって成された。左派勢力に対抗する為に。55年体制である。
55年体制という言葉自体は、この夏の選挙以降、次第に使われなくなり、死語になりつつあるが。
だが、小沢の妖怪度はともかく、三木武吉や大野伴睦といった、大妖怪からいえば、はるかに小粒の田中や平沼、さらに、妖怪度の低い亀井も含め、権力奪取、権力維持の為の、再編の動き、妖怪たちの蠢きは、変わらないんだな。
また、亀井の画策する大小4妖怪のカルテット、おそらく、その結成には、至らないだろう。