ドラスティックな査定要。

晴れ。
やりたいことがやれないことなど、誰にだってある。国も同じこと。
来年度の各省庁の概算要求は、95兆円。予測税収は、本年度当初予定より6兆円少ない40兆円。実際は、それを大きく割り込むという。概算要求には、この他、事項要求なる項目だけを盛り込んだものが2兆あり、実質要求額は、97兆円。
どうする、鳩山内閣は。ムダなものは削ってもこれ。あとは、やりたいが、マニフェストには謳ったが、削らなければならないものを、決めねばならない。そうすればいい。
仙谷や藤井は、予算案、最大92兆に抑える、と言っているが、当然だ。国債も44兆以内に、と言っているが、これも当然。なにしろ国の借金、現在860兆円。国民一人あたり674万円もあるのだから。
今日も関東1都5県の知事が八ッ場に行って、ダム建設続行を、と言ってるようだが、何を考えてるのか、と言いたい。国以前に地方ありの典型(ま、そういうことも、ないことはないが)、現在の状況では、それは違う。
国交省OBで八ッ場にも関わっていた人が話していたが、4600億と言われている建設費、今後、あと1000億から2000億増えるだろう、それは、関わっている官僚も内心では解かっている、と。50年も60年も振り回された現地の人には、気の毒だが、客観的に見て、効用よりも、そうじゃない点の方が多い。
当初の予定通り、八ッ場に限らず、すべてのダム建設は、一旦凍結すべきだし、また、すべての新幹線も、一旦凍結とすべし、と思う。新幹線が通ることを楽しみにしている現地の人には、申しわけないが。
さらに、高速道路の無料化なんかも、止めちゃえばいい。マニフェストに謳ったからといって、やることはない。これだって6000億浮く。
やりたいこと、つまり、マニフェストに謳ったことでも、金が足りないのだから、思いきって止める。これが肝要だ。
やりたい項目をズラッと並べて、優先順位をつける。予測入金額と一致するところまで、下の方からどんどん削る。優先順位の振り方に、多少の間違いはあろうが、そんなことには、目を瞑る。ドラスティックに削る、という思考が必要だ。
それにしても、プライマリー・バランスという言葉を聞かなくなって久しい。たしか、以前には、いついつまでには、歳入・歳出を均衡させる、つまり、プライマリー・バランスをはかる、と言っていたのだが。歳入、つまり、税収がどんどん減ってきた今、そんな言葉など言ってられない、という状況になったのだろう。
税収は、リーマン以前の2年前からでも、10兆減り、20年近く前のバブル崩壊前からだと、20兆も減り、3分の2になっちゃったんだから。その間でも、年寄りは増えて金はかかるし。プライマリー・バランスなんてことは、当分の間、夢のまた夢、であろう。
それだからこそ、ドラスティックな査定が必要、思い切りが必要だ。エイヤッ、とやるしかない。