日本の存在感。

晴れ。
昨夜の国連の気候変動サミットでの鳩山由紀夫の演説、世界にインパクトを与えたようだ。
たった2日のサミット、日本の政権交代による鳩山の二酸化炭素削減案を知った、事務総長・潘基文が、急遽、鳩山の演説を組み入れたという。オバマ、胡錦涛、などと並んで。鳩山の後で演説を行った曲者のフランスのサルコジも、彼の演説の中で、鳩山の言葉を素晴らしいと言っていたし、多くの首脳に感銘を与えたようだ。事務総長の潘基文も、全ての先進国は、日本を見習い、続いてくれ、といった談話を出していたし。
国際舞台で、久しぶりに、日本の存在感を示したんじゃないか。
2020年に、二酸化炭素を1990年に較べ25パーセント削減するとの目標、EUの目標よりも高く、実際には不透明だが、15パーセントと言われるアメリカよりもはるかに高い目標設定。ただし、全ての主要国の参加が条件、との前提は付けている。また、途上国への、技術、資金援助、という鳩山イニシアティブも打ち出した。
しかし、国際公約となったこの目標設定、その実現には、ハードルは高い。経団連の御手洗はじめ、国内各界からの懸念の声は多い。我々国民も覚悟がいる。あやふやな記憶であるが、たしか、一人あたり数十万の負担増、となる試算があるらしい。しかし、温暖化問題は、やらねばならない問題。これも、この機会に手を付けるべき問題であろう。
前政権までの削減目標は、2020年の削減目標、1990年比8パーセント、なぜか。産業界への思惑は当然だが、なによりも、アメリカの事情があった。アメリカへの気兼ねがあった。地球の未来への認識も甘かったが、なにより、腰が引けてたんだ。
京都議定書にも参加しなかったブッシュ政権とは全く違うが、オバマも手枷、足枷を多くはめられている。国連での演説でも、明確な数値目標は述べなかった。アメリカとの腹を割った話し合い、率直な意見交換による、アメリカの引き込みができるかどうか、これからの鳩山の腕次第だ。
世界の中での日本の二酸化炭素排出量は、約4パーセント強。アメリカと中国は、それぞれ約20パーセント強、日本の5倍もの排出をしている。この一筋縄ではいかぬ二つの国をどう取り込むか、どう制御していけるかが、鳩山の国際公約が成功するかどうかの鍵。オバマや胡錦涛と、堂々の四つ相撲を取ってもらいたい。
ところで、今日の稀勢の里と鶴竜の取り組み、今まで合い口の悪かった鶴竜が、鋭い出足で稀勢の里を寄り切った。鶴竜は、伸びている。強くなっている。
しかし、稀勢の里よ、頑張れ。考えろ。何といっても、お前は、希望の星なんだから。