ーまぼろしの翼ー 島谷晃展。

島谷晃が死んで、5年以上となる。
その島谷晃の画業を見渡せる素晴らしい展覧会が、今、茅ヶ崎市美術館で開かれている。昨日、学生時代の古い仲間大勢で観に行った。

茅ヶ崎美術館の掲示板。
ガラスの向こうで分かり難いが。

「−幻の翼ー 島谷晃展」看板。

展示室のある地階へ降りる。
コンクリの壁にこれがかかる。
≪スリナムの夢≫。1999年。岩瀬山西念寺蔵。

読めるかな。
読めるといいが。

島谷晃の作品、地階の2つの展示室を用いて展示されている。
その初っ端の入り口。
島谷晃の初期の作品である。
右から左へ、≪My peacock(くじゃくⅠ)≫。1966年。油彩。
ついで、≪かみになる≫。1966年。油彩。≪My peacock Ⅱ(くじゃくⅡ)≫。1966年。油彩。1966年、島谷、まだ学生のころである。
ついで、≪くじゃく(仮題)≫。1971年。油彩。その左へ、≪みのむし(ロ)≫、≪みのむし(イ)≫。いずれも1970年。油彩。
昨日、早見堯の講演会が催された。
早見堯、早稲田出身の美術評論家としては、今、最も知られている男である。
もっとも、美術評論家という生業、高階秀爾ぐらいならばいざ知らず、厳しいものである。気鋭の早見堯といえど、アサビや大学の教師をやっている。
その早見堯、≪かみになる≫に関しこう語る。
<近似した複数のイメージから、一つのイメージへの圧縮>、と。
≪かみになる≫から、施無畏印の如来立像、東博の釈迦如来像、不動明王、とイメージはふくらみ、その光背から、飛天、歌麿の花魁へと飛ぶ。

島谷晃展の中へ。

この絵になる男は、今回私たちを束ねた小澤潔。

見ている作品は、≪誕生≫。1976年。リトグラフ。

≪≪Still Eating≫。制作年不詳。エッチング。

水彩画が続く。

大きな作品が続く。

これは≪MY OWLS(ふくろうたち≫。1981年。アクリル。

真ん中の作品は、≪MY OWL B≫。1980年代。アクリル。

島谷晃、鳥の画家、とりわけフクロウの画家と呼ばれた。

少し移動する。
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≪In the sky, wather or on the bed(ベッドの上で)≫。1993〜94年。半立体。アクリル。

≪The sahadow of my bicycle(自転車)≫。1980年。アクリル。

≪GREEN SHADOW≫。1980年代。アクリル。

さまざまな資料も展示されている。

図録に記載されている茅ヶ崎美術館学芸員・西内裕詞の記述によると、島谷は1985年、宮沢賢治の詩「おきなぐさ」にイラストを添えた絵本を上梓する。
その書に澁澤龍彦が寄せた文。(早稲田大学會津八一記念博物館蔵)。
学生時代の仲間・島谷晃の久しぶりの大規模な展覧会。気合が入る。
明日も続ける。いや、明日のみならず3〜4日続けるやもしれない。
島谷晃の展覧会に、早見堯の講演会も花を添えているので。


デヴィッド・ボウイが死んだ。69歳。
さほどの関連はない。が、昨年11月、「デヴィッド・ボウイ・イズ」を観て、そのことを記した。山本寛斎の思いは、深いものがあろう。