「あのガキ、横綱になるよ」、と朝青龍が言ったそうだ。

大相撲9月場所、今日が千秋楽。
何やかやあり、三分の一程度しか見ることができなかった。が、彼のおかげで面白かった。朝青龍が、「あのガキ、横綱になるよ」、と言ったという逸ノ城の快進撃で。

初日恒例の協会挨拶。
理事長・北の湖の後ろには、新大関の豪栄道。少し緊張の色が見える。

新小結のこの二人、共に学生横綱。日大と日体大で。

前頭筆頭は、照ノ富士と遠藤。これも楽しみ。

あと一人、この男がいた。
入門5場所目、新入幕の逸ノ城である。

東前頭10枚目の逸ノ城、初日は栃乃若を上手投げで破る。

6日目まで連勝の逸ノ城、7日目の相手は勢。

勢、上手投げで逸ノ城を下す。
と、その後、何たること、インタビュールームで勢のインタビューが始まる。
私は、”勢、怒れ”、と叫んだ。
勢は、幕内で存在感を示しつつある力士である。その勢が、新入幕力士に勝って、何故にインタビュールームなのか、と。

9日目、花道の奥で出を待つ逸ノ城。

この日、佐田の海を破り、8勝1敗。9日目にして勝ち越しを決めた。
たしかこの日、解説の舞の海、こういうことを言っていた。
「こうなったら、白鵬へ当てたらいいんじゃないか」、と。もちろんこの日の舞の海、冗談半分の軽口として言った言葉である。
だがしかし、それが現実となっていく。
その後、連日、私は外へ出ることが多くなり、土俵をリアルタイムでは見ていない。
で、今日、千秋楽のNHKとなる。
御嶽山が噴火した。
それと並行して大相撲では・・・

入門5場所目、モンゴルから来たザンバラ髪の若者・逸ノ城、12日目には新大関・豪栄道を破る。
あまりに速かったので撮りそこなったが、その前日には稀勢の里をも破っている。何とー。

13日目、横綱・鶴竜をも破る。

さすが昨日は、白鵬に転がされたが。

14日目まで、12勝2敗。

楽日、今日の逸ノ城。
出を待つ花道奥で。

逸ノ城、安美錦を破り、優勝への望みをつなぐ。

支度部屋で白鵬の結果を待つ。
逸ノ城の表情、さほど緊張したような趣は感じられない。

しかし、さすが白鵬、31回目の優勝を決めた。
千代の富士と並んだ。あとは、大鵬の32回のみ。

それはそれとし、その後のNHKニュース。
逸ノ城、モンゴルの遊牧民の子供だそうだ。
モンゴルでは、逸ノ城の家族がゲルの中で応援している。左側の人は、逸ノ城のお父さんとお母さん。

途中でゲルから出てきた逸ノ城のお母さん、モンゴルの平原へ牛乳を撒いていた。祈りの所作のようである。
かっての悪ガキ・朝青龍の言う「あのガキ、横綱になるよ」、との言葉、遠からずそうなるに違いない、との思いが深い。