羽生、チャン、プルシェンコ。

フィギュア男子個人、昨夜半というか今日未明というか、前半のSP(ショート・プログラム)が行なわれた。
団体戦の模様から見て、メダル争いは、今絶好調の羽生結弦、世界チャンプのパトリック・チャン、それにフィギュアの皇帝・エフゲニー・プルシェンコの3人で争われるに違いない。

プルシェンコ、早い組で出てきた。
昨年、世界の大きな大会に出ていないので、ということらしい。

皇帝・プルシェンコ、6分間の練習途中で苦しそうな表情になる。腰を痛めたようだ。

審判席に近づき、何ごとか話す。
棄権することを告げたそうだ。何たること。

その後、プルシェンコ、リンクの中央へ戻る。
この後、両手を上げ、その後、右腕を胸に当てる。ごめんなさい、申しわけありません、ということのよう。

ロシアの人々の表情、凍りつく。

フィギュア男子の一時代を創ったプルシェンコ、リンクを去る。
「神が止めた」、と語り、その後、現役引退を表明した。
時代が変わった。

プルシェンコがリンクを後にして2時間近く後、第4グループの羽生結弦が出てきた。

演技の前の羽生結弦、コーチのブライアン・オーサーと話す。
ブライアン・オーサー、サラエボとカルガリーの銀メダリスト。何よりも、前回バンクーバーでキム・ヨナに金メダルを取らせた名コーチ。

羽生、4回転ジャンプを軽々と跳ぶ。

流れるよう。

魅せもする。
かってのプルシェンコが漂わせていた風格さえ感じさせる。
羽生、素晴らしい演技を行なった。

羽生結弦を迎えるブライアン・オーサー。

羽生結弦の得点が出た瞬間、コーチの補佐なのか通訳なのか、羽生の隣りに座っていたこの女性、、こういう表情をする。
何しろ、羽生結弦の得点、101.45点。世界初の100点超え。
隣りの女性がこういう顔をするのも当然だ。それにしても、座っているはずの羽生の姿が見えないが、どうしてか。
羽生結弦、100点超えの得点を見た瞬間、喜びのあまり前へ倒れこんだんだ。だから、姿が消えた。

羽生結弦、当然トップ。
ここまででは、ぶっちぎり。
問題は、世界チャンプであるカナダのパトリック・チャン次第。

パトリック・チャンが出てきた。

チャンも4回転ジャンプを難なく跳ぶ。
さすが世界チャンプ。

パトリック・チャンのポイント、97.52であった。
羽生結弦との差、4ポイント弱。
一日おいた今日未明のフリーが勝負となる。
この後、高橋大輔と町田樹もでてくるのであるが、1時間近く後、4時近くとなる。
ここまで、毎日毎日、焼酎のお湯割りを飲みながら、未明4時近くまで頑張ってきたが、そろそろ限界に近づいた。高橋と町田には悪いが、ここで寝ることとした。


今日、高梨沙羅が帰ってきた。
高梨沙羅、成田でこう語る。
「帰国して、まずは感謝という言葉が思い浮かんだ」、と語り、こう続ける。
「ベストを尽すことができず、結果も残せず申しわけない気持ちでいっぱいです」、と。
何てできた娘なんだ。日本中、泣いちゃうよ。
しかし、17歳の少女にこんなことを語らせていいのか。
仮に、高梨沙羅が金メダルを取った時以上に、日本中、泣いちゃう。