国連事務総長。

6日の広島平和祈念式典に参列する為、昨日来日したパン・ギムン(潘基文)、今日は忙しく過ごしたようだ。
早稲田で学生相手に講演したり、マスコミ各社のインタビューを次々こなしたり、菅直人その他の人と会ったり、と。核軍縮、核不拡散を話し、核のない世界の実現を、と話していたようだ。
韓国の国連大使をしていた頃、アレッひょっとしたらこの男、できる男かもしれないな、と思ったことがある。だから、国連の事務総長になった時には、面白いかもしれない、と思った。
しかし、それから3年半も経つのに、パン・ギムンこういうことを為してきた、ということが思い浮かばない。能なしじゃないか、とも言われている。カリスマ性がない、とも。先月末にも、退任する事務次長がパン・ギムンに、その指導力不足を非難する手紙を送っていたことが報じられた。個人的な軋轢もあったようだが、本人宛ての真っ向批判。
アメリカに対してもどこか腰が引けていた。特に、ブッシュの時には。国連の事務総長、世界のリーダー・アメリカ、そしてこれからは、中国に対しても正面からものが言える男じゃなければ務まらない。そうでなければ、当該国からも軽く見られてしまうだろう。
前任者のコフィー・アナンは、その顔貌を見ただけで存在感があった。顔つきはともかく、アナンは、アメリカに対しても、もの言っていた。パン・ギムン、ブッシュが去り、オバマの時代となって、その尻馬に乗っているだけ、というようにも感じる。尻馬に乗るよりは、オバマの尻を叩くことが、より求められるのじゃないか。国連の事務総長としては。
国連事務総長の任期は5年。今まで、よほどのことがない限り、2期10年を務めるのが通例である。パン・ギムンの任期は、来年末まで。2期目の続投が認められるかどうかは、今後1年半弱の活動にかかっている。今のままでは、おそらく続投は難しい。
パン・ギムン、今日あちこちで言っている核廃絶のこと、本当にそう思っているならば、オバマやメドベージェフ、胡錦濤ばかりでなく、金正日やアフマディネジャドとも、腹を割って話をするべきだろう。インドやパキスタン、それにイスラエルのリーダーとも。国連事務総長として。