ヴィクトリア女王 最期の秘密。

日が没する所はないと言われた大英帝国、それを成したのはヴィクトリア女王。
男といわず女といわず乱倫が常態かと思われる歴代イギリス王室の中、ヴィクトリアは人倫に悖ることはしなかった。伯父伯母など周りの王族の乱れた行いに、母親が厳しく育てたため。
１８１９年生まれのヴィクトリア、１８３７年、１８歳でグレートブリテン王国の女王に即位する。１８４０年、ドイツ、ザクセン公・アルバートと結婚。王配・アルバートとの間に９人の子をなす。が、アルバートは１８６１年没する。ヴィクトリアは落ちこむ。以降約４０年、ヴィクトリア女王は黒い喪服を着て過ごす。
実は一度のみ、ジョン・ブラウンという従僕との仲を噂されたことがある。あの二人はどうも・・・、と。しかし、ヴィクトリアが寵愛したこの男も死んでしまう。
世界中あちこちが大英帝国の植民地となり、ヴィクトリア朝とも言える大帝国となるが、女王ヴィクトリアの心は塞がれる。

そのヴィクトリア、齢７０に近くなった晩年、偶然、心をひらいた男と巡りあう。
植民地インドから来た若い男・アブドゥル。身分も年齢も人種も何から何まで異なる二人、もちろん色恋沙汰ではない。友情というものとも異なる。ヴィクトリア、アブドゥルと話すと気が晴れる。

『ヴィクトリア女王　最期の秘密』、監督：スティーヴン・フリアーズ。
女王ヴィクトリアには、イギリスの至宝・ジュディ・デンチ。ジュディ・デンチをおいて誰が女王ヴィクトリアに扮することができようか、と言えるほど嵌まっている。

１８８７年、ヴィクトリア女王即位５０周年記念式典が催され、世界各国から君主や王族、皇族が招待される。日本からは小松宮彰仁親王が出席している。
この時、王族や皇族といった人たちとは別にこの式典に来た者もいた。
植民地インドのアグラから来たアブドゥルは、ヴィクトリア女王への記念金貨の贈呈役としてロンドンへ来た。決して女王と目を合わせるんじゃないぞ、ときつく言われていたのだが目を合わせてしまう。

気まぐれで塞ぎこむことの多かった女王ヴィクトリア、この植民地インドから来た若い男・アブドゥルに惹かれていく。心を開いていく。
インド・アグラから来たアブドゥル、ムスリムである。コーランの話などもする。イギリス国教会教徒である女王ヴィクトリア、イスラム教にも興味を持つ。

イギリス王室のエスタブリッシュメントにとっては、女王ヴィクトリアの行ないは由々しきことである。
身分が違う。人種が違う。ましてや有色人種。王室内では女王ヴィクトリアの行いに非難轟々。

しかし、女王ヴィクトリアは、身分違いであり有色人種であるアブドゥルを寵愛する。
アブドゥルの学識にも。

ヴィクトリア女王、植民地インドから来た身分違いの若い男に心を開いていた。

この場面、アブドゥルがインドに帰っていった後だろうか。
大英帝国の女王・ヴィクトリアと植民地インドから来たアブドゥルとの心通わせる物語、実は、女王ヴィクトリアの後を継いだ長男・エドワード７世により封印、世に出ることを禁じられていた。
１００余年が経ち、その有り様が表に出てきた。
ヴィクトリア女王、現在のイギリス女王・エリザベス２世の高祖母である。

今日、ボルトンのトランプ暴露本が発売された。
報じられる内容は、見知ったことがほとんど。ボルトン、何を今さらという感がある。
が、トランプは、ボルトンはどうしようもないバカだとか、国家機密漏洩だとか、とほざいている。
ボルトン、トランプの指示で、日本へのアメリカ軍駐留経費を４倍にするように伝えたそうだ。嫌なら在日米軍を引揚げると脅せ、と。トランプのやりそうなことだ。
今日、官房長官・菅義偉、コメントは差し控えると語る。防衛大臣・河野太郎は、本は売り切れ買えなかったので読んでいないが、在日米軍のコストを４倍に引き上げることは聞いていないと語る。
それにしてもどうしてあんなにトランプの支持者がいるのか。トランプ支持の皆さんの顔を見ながら。嫌な流れ。

今日、沖縄慰霊の日。
安倍晋三は、ビデオメッセージで空疎なことを語っていた。
先帝・上皇ご夫妻の今日の行動を思う。