ザ・ダンサー。

ステファニー・ディ・ジューストという監督も、ソーコという主演女優も、この作品で取りあげられているロイ・フラーというダンサーのことも、いずれもまったく知らなかった。
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1862年生まれのロイ・フラー、アメリカでダンサーとして人気を集めるが、19世紀末のパリへ渡る。パリはベルエポックの時代だ。
大きなスカートを翻して踊る。サーペンタインダンスという。ライティングも凝る。だから、「シルクと光のダンス」と呼ばれたそうだ。
フォーリー・ベルジュールで人気を博す。当然、ロートレック、ロダン、コクトー、ガレといったベルエポックの芸術家たちのミューズとなる。
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『ザ・ダンサー』、監督のステファニー・ディ・ジューストの劇映画初作品だという。本作、フランスとベルギーの合作。
ステファニー・ディ・ジュースト、写真や広告、ビデオクリップと、さまざまな映像表現に関わっていた、と語る。彼女自身、ロイ・フラーというダンサーのことは知らなかった、とも。
ある時、「ベルエポックのアイコン」と記されている1枚の白黒写真と行きあった、と言う。それがロイ・フラーであった。調べてみると、100年前にロートレックやコクトーなどを魅了したロイ・フラーが、100年後、あまりにも忘れ去られていることに驚く。
これはいけない、と火がついた模様。で、私が創る、と。
ステファニー・ディ・ジュースト、腹が座ってる。ハンパない。完成まで7年をかけている。
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シネスイッチ銀座階段横のディスプレー、ちと平板だな。
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ロートレックが描いたロイ・フラー。
大きなスカートをひるがえして踊る様。さすがロートレック、上手い。
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19世紀末、ルイ・ドルセー伯爵というイケメン貴族との恋もある。
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ロイ・フラー、フォーリー・ベルジュールからオペラ座へと夢を広げる。
フォーリー・ベルジュールはいわば大衆演劇の世界、キャバレーだ。そこからオペラ座へとは。パリのオペラ座は世界のオペラ座、至高の劇場である。
しかし、ロイ・フラーはそれを実現する。オペラ座の舞台でサーペンタインダンスを踊る。白いシルクをひるがえし。
その時、ロイ・フラー、やはりアメリカ出身の若いダンサーであるイサドラ・ダンカンを引き立てる。
が、しかし・・・
ここから、ロイ・フラーとイサドラ・ダンカンの間柄がややこしくなる。
今、イサドラ・ダンカンは「モダンダンスの祖」と言われている。ロイ・フラーの名は忘れ去られても。
ステファニー・ディ・ジューストの心に火をつけたのも、イサドラ・ダンカンに比べ、ロイ・フラーへの扱いはあまりじゃないか、とのこと。
イサドラ・ダンカンは凄いのであるが。
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そのイサドラ・ダンカンに扮するのは、リリー=ローズ・デップ。
1999年生まれ。ジョニー・デップの娘。
このジョニー・デップの娘であるリリー=ローズ・デップ、美人の範疇には入らないのであろうが、不思議な魅力がある。
父親のジョニデ自体、美形ではないが人を引き付ける不思議な「気」を放っている。娘のリリー=ローズ・デップ、その「気」を受け継いでいるやに思える。
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この作品『ザ・ダンサー』とは関係はないが、リリー=ローズ・デップの写真を1枚載せておく。


”I Can’t Breathe”から・・・
”#Black Lives Matter”となり・・・
”Black Out Tuesday”となった。
昨日、火曜日の抗議行動は凄かった。
「州兵で押さえつけろ。でなければ連邦軍を派遣する」、トランプの暴走も止まらない。
アメリカ大統領選まで、まだ半年ある。あと半年もある。トランプがいること、精神衛生上、とてもよくない。
早く大統領選が来い。選挙権はないが、そう思う。


ニュースショーと言われるものは見ないが、NHKの夜7時と9時のニュースは見ている。
しかし、7時も9時も出ているアナウンサー、肝心なことは言わない。
7時のふたりのアナウンサーは、NHKの今のエースであろうが、ただ伝えている。当たり障りのないことを。
9時のふたりは、女性の和久田麻由子アナウンサーは才色兼備、と人気のあるアナウンサーだそうだが、私はそうは思わない。また、男の有馬嘉男は元気のいい男だが、大きな声で切り込んでいるやに見せかけて、まったくそうではない。体制側に置いた軸足を決して踏み外さない。NHKの限界。
トランプについても。
心の内を語らぬこと、本人も苦しかろうに。