理事長・八角 声つまらせる。

プロと言わずアマと言わず、スポーツ団体のトップ、問題のある人物や才能のない者が少なくない。
その中で日本相撲協会の歴代理事長は、みなさんなかなかな人物である。
双葉山と言わず、栃錦と言わず、若乃花と言わず、それ以降の佐田の山、豊山(時津風)、一代年寄・北の湖、三重ノ海(武蔵川)、魁傑(放駒)、と。
元北勝海である今の理事長・八角もそうである。出来のいい理事長である、と思う。
その八角、今日の春場所千秋楽の理事長挨拶の中で、感極まり声をつまらせた。10数秒の間。
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大阪での大相撲春場所初日、今月8日に幕を開けた。無観客場所として。
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北海道から戻ってきて4日目、自主避難をしていた私はホテルのベッドで無観客の初日を見ていた。
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協会役員の親方衆と幕内全力士を従えた協会理事長・八角、初日の挨拶をする。
「古来、力士の四股は・・・」、と。
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今場所の焦点は、朝乃山の大関取り。
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出ると優勝を繰りかえす横綱・白鵬がどうなるか。初場所休場であるが。。
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7日目、先場所限りで引退した元大関・豪栄道(親方・武隈)がスーツ姿で出てきた。
現役時代はいつもムスッとした顔をしていたが、穏やかな面持ち。土俵では、やはり緊張の連続だったのであろう。
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12日目、白鵬が正代に敗れ、1敗の碧山が単独トップとなる。
幕尻の徳勝龍が賜杯を手にした先場所の再現か、という展開となった。
が、碧山その翌日敗れ、2敗。
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さらに昨日14日目には、前頭13枚目の碧山、白鵬との割りが組まれた。
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ただ一度の不戦勝があるのみで白鵬戦全敗の碧山、昨日も負けた。
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14日目結びの一番。
鶴竜対朝乃山。
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土俵際での投げの打ち合い。鶴竜の下手投げが勝った。
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朝乃山、これで4敗となる。直前3場所の勝ち星33勝には、千秋楽に勝っても届かなくなる。
これで12勝2敗の千秋楽での横綱の同星決戦。
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今日、千秋楽、朝乃山は貴景勝に勝つ。
直前3場所33勝にはひとつ星が足りない。
が、相撲内容がいいとのことで、来場所での大関昇進が確実となった。
両横綱の力は確実に落ちてきている。一人大関の貴景勝もアップアップしている。このような状況の中、朝乃山の大関昇進は理に適っている、と私も考える。
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今日、千秋楽の両横綱の同星決戦、やはりと言うべきであろう、ここ一番の白鵬が制した。
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白鵬、44回目の優勝。
床山に髷を直させ荒い息を吐きながら、「モチベーションをどうこう」と語る。
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春場所千秋楽、この後このような手順で進むようだ。
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初日と同じく、協会役員と幕内全力士を従えた理事長の八角の挨拶、異例のものとなる。
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挨拶を始めた八角、感極まり声をつまらせる。10秒以上も。
無観客場所を決断した思いが、胸に迫ってきたのであろう。
そして、こう語る。
「ひとつの信念を持って行った」、と。さらに、「全力士、全協会員を誇りに思う」、と。
日本相撲協会の歴代の理事長と同じく、八角も立派な理事長である。
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土俵上に御幣が置かれた。
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来場所の番付に序の口と記載される出世力士手打式である。
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そして、神送りの儀式。
行司を高く胴上げする。初日にあたり土俵へお迎えした神を、天空へ送り返す。
仕事をしていた現役のころ、ある期間、年に1、2回国技館の升席で酒を飲みながら土俵を見ていた。取引先からの接待であった。しかし、千秋楽に行ったことはない。だから、このような神送りの儀式を見るのはは初めてである。
無観客場所のおまけである。
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大阪春場所、すべてが終わった。
15日間持ち堪えてきた土俵もひび割れている。土俵上では呼び出しがなにやら。
趣がある。
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初日に八角が語っていた言葉、今日のNHKでも流れた。
「古来から力士のしこは・・・」、と。
美しい四股を踏む遠藤だ。
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そして、「また横綱の土俵入りは・・・」、と。
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大阪での3月春場所、こうして幕を閉じた。
これはこれで面白かった。