オホーツクふらふら行(5) 流氷物語号。

斜里駅へ戻ってくる。
駅員に近くの食堂を訊く。
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駅を出て左へ行けば一軒あるという。また右へ行った道の駅に食堂があるという。
道の駅なら開いていよう。そちらに行くこととする。幾つもの定食がある。が、ボリュームいっぱい。私には食えそうにない。一番シンプルなラーメンを頼む。それでも大きなチャーシューが入っている。半分ほど食ったか。
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ホテルに預けた荷物を受け取り、駅に戻る。
若い男と女の二人連れがいる。持ち物から見て旅行者のようだ。その後、60代と思われる10数人の団体が入ってくる。引率している男がいる。前夜はウトロあたりで泊まったのであろうツアー客のようだった。
13時48分発の網走行きには暫らく時間がある。
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網走と斜里の間、厳冬期には流氷物語号という2両連結の電車が1日2往復している。
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斜里の駅には、このようなジオラマもあった。
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時間となり、駅構内へ入る。


突然であるが、少し寄り道をする。
若い人はご存じないであろうが、5、60年前、木山捷平という少し風変りな物書きがいた。その木山捷平に『斜里の白雪』という短編がある。「北海道文学全集 第19巻 凝視と彷徨」(昭和56年、立風書房刊)に収載されている。
著者とおぼしき木井という男が釧網線の川湯駅から汽車に乗る。網走まで行くつもりなんだ。途中、斜里駅に着いて、約50分の待ち時間となる。その間、網走行きの急行も来るのだが、急ぐ旅でもなしと斜里の駅にいる。と、川湯の駅で会った色黒のおばさんに会う。
<「おらここで降りて、越川へ帰るだ」、とおばさんは言った。「越川? 越川って何処かね」というと、「ここから東へ13キロほどだ」とおばさんが言った。・・・>。
今は、越川という駅はない。根室国と北見国を結ぶというところから名づけられた根北線の駅。根北線、1970年に廃線となった。これに限らず北海道の鉄道、廃線につぐ廃線である。
ところで、色黒のおばさんは、川湯の温泉に女中に出した17歳の娘が宿のコックとどうこうとなってしまったので、意見をしに行った、と言う。タイトルの「斜里の白雪」というロマンティックな場面など、どこにも出てこない。
ただ一か所、このような件がある。
<木井は先刻から気づいていたが、小母さんの着物の褄からのぞいている、小母さんの臑は雪のように真っ白だった。本来は・・・>、という件に。
色黒のおばさんの白い臑、なるほど、これが「斜里の白雪」か、と気がついた。木山捷平、何ともややこしいことを書く。
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なお、知床博物館の「鉄道の歴史」のコーナーにもこのようなものがあった。「こしかわ」。
北海道と鉄道、切り離すことができない。しかし、現実には厳しい状況が続いている。


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13時48分、流氷物語号は斜里から網走へ向かう。
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右手にオホーツクの流氷を見て。
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車内。
以前、部活でスキーをやっていた娘が使っていたストックを持ってきている。これはあちこちで役立った。
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オホーツクを見ながら走る。
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浜小清水駅へ着いた。20分休むとアナウンスがある。
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JRの駅は、道の駅でもあるんだ。
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土産物が多く並んでいる。
が、私は何も買わない。
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手持無沙汰。
ホームへ戻ると、こういう人がいた。
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網走方面へ。
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オホーツクに沿って網走へ。
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趣きがある。
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流氷が迫っている。
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このようなところもあった。
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Ⅰ4時46分、網走に着く。
案内板でホテルの位置を確かめ、網走ロイヤルホテルへ。駅から3分となっていたが、私の足では10分ばかりかかった。
チェックインをすませ、部屋には入らずバッグを預け、すぐにタクシーを呼んでもらう。砕氷船・おーろらの予約を入れてあるから。


ダウ平均、昨日は何と3000ドルも下落した。29500ドル近辺から2万ドル前後となっている。1/3が失われた。
日経平均も2万3、4000円から1万7000円となっている。リーマンショック以来、私も大きなダメージをこうむっている。
東京オリンピック、パラリンピックもどうなるか。
中止となるおそれ、大であろう。