突然炎のごとく。

第一次世界大戦前のパリ、モンパルナスで二人の若い男が知り合い親友となる。オーストリア出身のジュールとフランス人のジム。カトリーヌという女を共に好きになる。が、ジュールの方が積極的、カトリーヌと結婚する。
第一次世界大戦が始まり、ジュールはドイツの兵士としてジルはフランスの兵士として戦うが、共に生き延びる。
ジュールとカトリーヌの間には子供もいる。ジュールとジム、そしてカトリーヌは再び会う。
が、このようなことは、実はどうでもいい。
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『突然炎のごとく』、原題は『ジュールとジム』、1962年のフランソワ・トリュフォーの作品。
アンリ=ピエール・ロシェの小説に、若いフランソワ・トリュフォーが食いついた。
ふたりの男、ジュールとジムの物語である。つまりカトリーヌの物語となる。
カトリーヌには恋人がいる。もうジュールには飽きちゃった、と。
しかし不思議なことに、ジュールはカトリーヌを手放したくない。で、ジルにカトリーヌと結婚してくれ、と言う。オレも側に置いて、と。
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フランソワ・トリュフォーの『突然炎のごとく』、映画史に残る一本と言われている。
初公開から60年近くなった今でも、時折りポツンポツンとかかる。これは1年半前、どこで見たかは忘れたが。
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『突然炎のごとく ジュールとジム』、二人の男と一人の女の三角関係の物語であるが、そう単純でもない。カトリーヌ、なにしろ奔放な女なのだから。
ジュールとジム役の男には触れない。が、カトリーヌに扮した役者には触れないわけにはいかない。ジャンヌ・モローである。ジュールとジムの人生を決定づける女。
それよりも原作のアンリ=ピエール・ロシェは不思議な男である。マルセル・デュシャンと共に、アメリカへ渡っている。ピカソの作品などを売りこみに。
アメリカへ渡ったアンリ=ピエール・ロシェとマルセル・デュシャン、ベアトリス・ウッドというダダ女を共に好きになる。この三角関係がこのトリュフォーの作品の大本であるようだ。
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ジュールとカトリーヌ。
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カトリーヌ役のジャンヌ・モローとフランソワ・トリュフォー。
ジャンヌ・モローがフランソワ・トリュフォーに初めて会ったのは、ルイ・マルの『死刑台のエレベーター』がカンヌ映画祭でかかった時であったそうだ。
ヌーヴェル・ヴァーグ、才が才を呼んだ時代であった。
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フランソワ・トリュフォーとジャンヌ・モロー。同志という感じ。


今日、今上天皇は60歳となられた。
事前収録の会見で、憲法順守、国民に寄りそう、とあたりさわりのないことを話されている。
愛子さまは、やはり学習院へ進まれるそうだ。文学部の日本文学史学科へ、と。
頭脳明晰と言われる愛子さまには冒険をしていただきたかったが、それは4年先に延びた。学習院を終えた4年後、父君と同じイギリスのオックスフォードでもいいが、母君が学んだアメリカのハーバードの大学院へ行っていただきたい。でき得ればハーバートへ。
4年後のこと、残念ながら私は見ることができない。が、愛子さまが次世代の天皇にということがあってもいいのでは、と思っている。
そうあればいいな、と。