地下鉄のザジ。

ジャック・ベッケルの『モンパルナスの灯』と同じ1958年、弱冠25歳であの衝撃の『死刑台のエレベーター』を世に問うたルイ・マル、その2年後の1960年、何とも楽しい『地下鉄のザジ』を作る。
その50年後、完全修復ニュープリント版が公開される。その後も、時折り掛かっている。
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数年前に見たのだが、どこで見たのだろう。キネマ旬報シアターではなさそうだ。新宿のK’sシネマか渋谷のイメージフォーラムあたりかもしれない。
ポスターというより、ヘンなというか面白い紙片だな。
10歳の女の子・ザジがパリに出てくる。母親に連れられて出てくるのだが、母親はザジを弟に預けて恋人の許へ行ってしまう。
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洒落たスラップスティック・コメディだ。ルイ・マルの才能、ただ者でない。
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つい今しがたNHKの画面に出ていたチコちゃん、「ねーねー岡村ー・・・」なんて言っていた。5歳のチコちゃん、その年齢と発言のギャップが視聴者の心を掴んでいるが、10歳のザジは、この誰の心をも掴む笑顔と行動で見る者を魅了する。
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田舎からパリへ出てきたザジ、地下鉄に乗ることを楽しみにしていたのだが、地下鉄はストで動いていない。ウーン残念だ。が、ザジと一緒にパリのあちこちを巡り歩くことができる。エッフェル塔、クリニャンクールの蚤の市、凱旋門も出てきたか。
パリの人たちも。パリの男や女、決して派手ではないが味があるんだ。優男も醜男も。美女もそうとは言えない女も。どんな人もみな味がある。
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ザジと母親の弟。つまり、ザジの叔父さん。
姉貴の浮気の手助けをするために姪っ子のザジを預かるこのザジの叔父さんも、憎めないパリの男。
洒落てんなー、ルイ・マル。


横浜に停泊中のクルーズ船から今日まで、チャーター機を飛ばしてきたアメリカやオーストラリア、韓国、ウクライナ、その他の外国人約760人が船を出てそれぞれの国へ帰っていった。
この3日間、日本人は陰性であると判定された970人が下船した。国は横浜駅まで送るので、後は電車でも何でも使って帰ってください、と。この日本政府の対応についてアメリカはじめ外国は驚いている。何ということを、と。彼ら外国諸国は、帰って来た人たちを陰性であっても14日間、隔離するそうであるから。
彼我の対応の異なり、どうとも言えないよ。
3日前と2日前、病院へ行っていた。どちらの病院も来ている人がいっぱいであった。患者だらけ。病院の中、ウイルスだらけじゃないか。病院へ行くと、病気になるな、とも思った。


こんなことを記すのはどうか、と暫らく逡巡していたことがある。
日本は超高齢社会である。私も含め高齢者が多すぎる。今回の新型コロナウイルスは、高齢者には重症化しやすいそうだ。
そこでだ、今回のウイルスを上手く、つまり何気なく利用して、超高齢者の退場を図ってはどうか、というプラン。もちろん、私も含めて。
叩かれること、承知の上であるが。
一考に値する(しないかな)、やはり。