お帰り寅さん。

去年の秋のころ、シネコンには「男はつらいよ 50」と記されたポスターが貼られていた。寅さん・渥美清の横顔と共に。
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こういうチラシも置いてあった。
「よっ! ひさしぶり!」。
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キネマ旬報シアターにはこういうポスターも。
寅さんとさくら + 歴代マドンナ。
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行かなかったが、キネマ旬報シアターではこの正月初め、『男はつらいよ』の第1作と第2作を掛けていた。
左は第1作、右が「続」の第2作。
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<日本映画の代表シリーズ「男はつらいよ」は、今正月で早や七年、第16作目の「葛飾立志篇」をむかえるに至った。・・・>、とある。
1969年の第1作から7年、1975年のキネ旬の記事。なお、この第16作のマドンナは樫山文江。
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キネ旬シアターにはこのような展示も。
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寅さん・渥美清は、平成8年8月に死ぬ。享年68。
その直後のキネマ旬報9月下旬号。
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こういう記事もある。「マドンナ ベスト・テン」。
第1位は、旅回りの歌手・リリーの浅丘ルリ子。当然である。これに異を唱える御仁はいないだろう。第2位は、「寅次郎 夕焼け小焼け」の太地喜和子。第3位は、吉永小百合。第4位は、第1作のマドンナ、御前さまの娘・光本幸子。第5位は、いしだあゆみ。以下その年おりおりの女優がマドンナを務めているが、オレは誰それがというのはそれぞれ各人の勝手。京マチ子、新珠三千代、岸恵子といった往年の大女優までいるのだから。50年の重みである。
「ゲスト ベスト・テン」も凄い。
志村喬、三船敏郎、嵐寛寿郎、ミヤコ蝶々、宮口精二、宇野重吉、・・・、・・・。皆さん重い、重厚な面々ばかり。
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満を持して昨年末、『男はつらいよ50 お帰り寅さん』が公開された。
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渥美清はもういないが、「お帰り寅さん」である。
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さくらがいる。リリーがいる。その他の皆さんも、新しい方々も。
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寅さん・渥美清は死んじゃった。妹・さくらの息子、甥っ子の満男がメーンとなっている。
満男、作家となっているんだ。八重洲ブックセンターとおぼしき大型書店でサイン会をしている折り、たまたま昔の恋人であるイズミが来る。
イズミ、今ではUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員となっている。流暢な英語仏語を話すキャリアウーマン。演じるのは後藤久美子。国民的美少女と言われた後藤久美子、花形レーサーと結婚してフランスへ渡ってから20数年、今では40代半ば。仏語、英語も身につき、UNHCRの職員にピタリと嵌まっている。
UNHCRから今では国連ナンバー3となっている中満泉のことを思い出す。たまたまではあるが、イズミ、同じ名であるので。
吉岡秀隆扮するさくらの息子の満男、後藤久美子扮するイズミを誘う。浅丘ルリ子扮するリリーがやっているジャズ喫茶へ。どうも神保町の靖国通りの1本裏の通りにあるようだ。
イズミ、その夜は柴又のくるまやで泊めてもらう。久しぶりに布団を敷いて。
翌日、伊豆の施設に入っている父親を訪ねる。父親と別れた母親がいる。夏木マリが扮する。イヤー何とも言えずいい。母親はこういう。「私は別れたんだから赤の他人よ。しかし、あんたはあの男とは親子なんだよ」、と。
何だかんだあって、イズミはヨーロッパへ帰っていく。旅立ち間際、満男に口づけして。
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不思議でしようがないんだが、どうして満男はモテるんだ、と。
出版社の満男担当の女性編集者も満男に思いがある模様。この女性編集者、池脇千鶴が扮する。池脇千鶴、このような役は得意、男心をさりげなく掴む。
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この作品が公開される前後、横尾忠則が山田洋二は自分のアイデアをパクった、と述べた。
何でも、「男はつらいよ」の次回作、主演の渥美清はいないのだから、コラージュにすればいい、と話したそうだ。週に一度会う蕎麦屋で。
山田洋二はそのことには頬かむりしている、と横尾忠則は言う。アイデア・横尾忠則とかをクレジットに記載したくなかったのだろう、と。
山田洋二は文化勲章を受けた映画監督である。が、横尾忠則は、たかが「男はつらいよ」・寅さん映画の監督じゃないか。日本国内だけの、という思いがあるようだ。オレは世界のYokooだ、との。
主人公の渥美清がいない状態である。山田洋二でなくても誰が撮ってもコラージュになることは必然。横尾忠則、少し嫌らしすぎるな。
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細い目。眉毛のほくろ。フーテンの寅さんだ。


1週間少し、10日足らずブログを休んだ。
この間、いくつかの動きがあった。
1月31日、イギリスはEUから離脱した。ブレグジットがなった。47年の歴史に幕を下ろした。
近い将来、イギリス国民はブレグジットをを嘆くことになろう。


中国のコロナウイルス騒ぎは拡大している。
習近平指導部は、初動対応の誤りを認めた。
習近平、一帯一路なんて10年早いぞ。


アメリカ大統領選へ向けてのアイオワ州での党員集会が始まった。
トランプに対峙する民主党候補、定まらない。
3日の投票結果が今だ確としない。トランプは嘲笑っている。
71%の開票のところで、トップは最年少のブダジェッジ。38歳、地方都市の市長経験があるのみ、同性愛者であることも公言している男。
極端に過ぎる。トランプには勝てないであろう。
アメリカは分断されている。今日、ペロシは、トランプの一般教書演説が終わった直後、その演説が記載された紙片を破り捨てている。ペンス以下の共和党の面々は、トランプの言葉の端々で立ちあがり拍手している。不思議なことだが、共和党はほぼ一枚岩である模様である。
地球の民にとっては残念なことであるが、禄でもないトランプ政権、今後4年続いていくこと確かなようだ。
私は早く退散しよう。