大嘗祭。

天皇即位に伴う一連の行事の締めくくりである大嘗祭の儀式・大嘗宮の儀が、今日夕刻から始まった。
<大嘗祭は、あたかも地下を流れる伏流水のような、不思議な祭式である>(工藤隆著『大嘗祭 天皇制と日本文化の源流』 中公新書 2017年刊)。
そう、不思議、その祭式は秘儀。報道されたことはない。
新しい天皇が祭式が行われる悠紀殿、主基殿への回廊を歩まれるところのみ。
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今日夕刻、6時半のNHK。
悠紀殿へ向かわれる天皇。
灯りは松明のみ。暗い。
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神秘的。
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国事行事ではなく、皇室の行事であるからこのような議論もある。
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NHK、ニュースの時間帯により伝えるニュースのニュアンスを変えている。
6時台ではこう伝えていた。
しかし、9時のニュースウォッチ9では、大嘗宮の建設費は10憶と流していた。「建設費」としているところがキモ、ニクイところである。6時台よりニュアンスを変えていた。6時台より9時のニュースを見る人が圧倒的に多いのだから。
夜、11時20分ではまた24憶へ戻していたが。
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6時台では、昨年末の秋篠宮のこの発言も伝えていた。しかし、7時台、9時台のニュースでは、秋篠宮のこの発言はカットされていた。NHKである。
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7時のニュース。皇后・雅子さま。
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皇后・雅子さまは皇后帳殿へ入られる。
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悠紀殿に入られた天皇、どのようなことをなされているのか、識者による想像図が流された。
このような。
中央に御衾がある。
寝座、神殿である。
宮内庁は、<大嘗殿の内陣に置かれている「衾」(一種の掛け布団)の中に新天皇が入ってなにかの所作を行なうという空想(たとえば、眠る、前天皇の遺体と一緒に寝る、誕生した乳児としてその中に入る、女官と性関係を持つ等々)を全面的否定したのである>、と前記の工藤隆の書にある。
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献上された神饌を柏の葉に盛られる。
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伊勢神宮に向かって拝礼される。
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NHK9時のニュース。
天皇、悠紀殿から出てこられた。
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この後、日を跨いだ0時半から主基殿で同様の儀式を行われる。
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<皇位継承儀礼(即位儀礼)の一環として、即位儀とともに国家の重事とされてきたのは、天皇即位後に斎行された一代一度(毎世)の践祚大嘗祭である>、(岡田荘司著『大嘗祭と古代の祭祀』 吉川弘文館 2019年刊)。
上の写真は、同書の口絵。悠紀殿内部の復元図。
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これも。
いずれも中央に衾がある。
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同書にはこのような図も。
衾があり、采女がいる。
采女、天皇が神饌を柏の葉に盛る介助をするのであるが、折口信夫は、そこにある種性的な匂いを嗅ぎつけた。
<大嘗祭の時の、悠紀・主基両殿の中には、ちゃんと御寝所が設けられてあって・・・。褥を置いて、掛け布団や、枕も備へられてある。此れは、日の皇子となられる御方が、資格完成の為に、此御寝所に引き籠って、深い御物忌みをなされる場所である>、松浦壽輝著『折口信夫論』(太田出版 1995年刊)。
松浦壽輝、折口信夫の「大嘗祭の本義」を読み解く。


今日の大嘗祭、大嘗宮の儀、明け方まで続く。