大相撲稀勢場所三日目。

大相撲稀勢場所もまだ三日目であるが、ヒョッとすると今日までとなるかもしれない。
稀勢の里、今日も負けちゃった。今日のNHK解説の舞の海、「稀勢の里は、どう相撲を取ったらいいのか分からなくなっているのでは」、と語っている。
下半身が安定を欠くのは事実であるが、それ以上に心の安定を欠いているように見える。今の稀勢の里なら、横綱、大関、三役はもとより、前頭上位の力士、誰と当たっても勝てないのではないか、とさえ思えてくる。

今日 、花道の奥で出を待つ稀勢の里。
ビシッとしたところが感じられない。

土俵下、控えに入った稀勢の里。

稀勢の里後援会の100人に近い大応援団が明日、牛久から来るそうだが、それに先駆け今日もオレンジの法被を着た人が駆けつけている。牛久から。

稀勢の里と栃煌山の一番。
両者共に連敗をしているが、栃煌山はかっての大関候補、実力者である。あぶないなーと思っていたら、やはりそうなった。

立ち合い、稀勢の里ぶつかっていったが・・・

簡単に両差しを許してしまい・・・

寄り切られる。

稀勢、天を仰ぐ。

その直後の稀勢の里の背中。張りがない。
それよりもである。
稀勢の里の背中の後ろに見える、周りの人たちの顔を見ていただきたい。
大きく口を開け何かを叫んでいる人。呆然といった顔つきの人。手を合わせている人。この人たちばかりじゃなく、国技館の観客すべてと言ってもいい人たちが、稀勢の里が勝つことを祈っているんだ。テレビの前の人たちの大部分もそうであったろう。
誰であったか、いつか「稀勢の里って不思議な横綱ですね。こんなに負け続けても皆から愛される横綱なんて、今までいなかったですものね」、と言っていた。確かにそうだ。「強すぎて憎たらしい」、と言われた北の湖と対極の横綱であるな、と改めて思う。

負け残りの土俵下の稀勢の里。
結びの一番を待たなければならない。

稀勢の里、何を考えていたのか。
今までの土俵人生を反芻していたのかな、とも思うが。

花道の奥、支度部屋の前には10数人のカメラマンが脚立に乗って、稀勢の里が戻ってくるのを待っている。この時の稀勢の里の表情が、明日のスポーツ紙の一面トップに大きく載せられるのであろう。

稀勢の里、花道を戻ってくる。後ろに結びの一番で錦木に敗れた鶴竜も見える。

今日の上位陣の星取。
豪栄道、栃ノ心は3連敗、高安は1勝2敗、鶴竜も1勝2敗。横綱、大関の内、3連勝は白鵬のみ。荒れる春場所にはひと場所早いのだが。
ところで、ここに名のある豪栄道、妙義龍、栃煌山は稀勢の里と同じく昭和61年度生まれの「花のロクイチ組」である。「花のロクイチ組」にはさらに宝富士、碧山、魁聖、勢もいる。
力士の当たり年である昭和61年度生まれの「花のロキイチ組」、稀勢の里が先頭を突っ走ってきた。その稀勢の里が今、引退の岐路に立たされている。後がない横綱になったからである。稀勢の里、横綱でなければまだまだ長く力士を続けられたのであるが。
大卒が普通になった大相撲の世界で、中学を出てすぐ大相撲の世界に飛びこんだ萩原少年、横綱・稀勢の里となった。それが今、引退の岐路に立っている。
負けてもいい、15日間土俵にあがれ、という意見もある。しかし、それは酷である。
今夜、稀勢の里は田子ノ浦部屋へ入り、1時間半後に出てきたそうだ。おそらく師匠との話し合いが持たれたのではなかろうか。明日、土俵にあがるかどうか、と。
稀勢の里の明日の相手は、今日鶴竜を破った錦木である。今の稀勢の里では、金星配給となる公算が高い。
稀勢の里、ここでもうスパッと引退した方がいい。稀勢にとっては残念であろうが。
思えば、すべては2年前の春場所にある。優勝はしたが、それの代償は大きかった。大胸筋を痛めた。それが完治しない内に場所へ出た。
この判断ミスが尾を引いた。出ては休み、出ては休みを繰り返した。
田子ノ浦の師匠共々メンタル面、「心技体」の「心」の領域に不安を感じていた。それが、現実となった。
この「大相撲稀勢場所」も、明日はどうなるか。


今日、東京地裁はカルロス・ゴーンの保釈を認めなかった。証拠隠滅の恐れがあるから、と。勾留延長、長期化の模様となった。
しかし、日本の司法制度、海外メディアの視線は厳しい。日産という一企業の問題を越えて、日本対欧米世界という様相を呈してきている。


JOC会長の竹田恒和が記者会見した。
東京オリンピック・パラリンピック招致に関し、フランス当局から起訴されるや否や、捜査されている贈賄疑惑に関し。
何ともヒドイ記者会見であった。わずか7分、質問は受けつけず竹田恒和は退場した。海外メディアも出ている。悪い印象が欧米に拡散されるであろう。
JOC会長・竹田恒和自身、起訴される恐れ大であろう。


それよりも、ドナルド・トランプがNATOを離脱する意向、ということには驚いた。
アメリカがNATOから離脱するなんて、と。トランプ、何考えているんだ。世界は、トランプにあおられている。
が、去年、フランスのマクロンがヨーロッパ軍の創設に言及していたのを思いだした。
対ロシアばかりじゃなく、対アメリカともマクロンは言っていた。アメリカからの攻撃にも備える必要がある、とマクロンは言う。
そんなことをやっていると、喜ぶのは中華帝国を目指す中国だけなんじゃないか、という思いが沸きあがる。