全国大学ラグビー選手権準決勝。

箱根駅伝を途中まで見て、12時にはNHKへ。1月2日は、全国大学ラグビー選手権の準決勝の日である。
ここ暫らくの早稲田、準決勝にも出ていなかったのでつまらなかったのだが、今年は出ている。関東対抗戦で帝京と同率1位(直接対戦では敗れている故、実質2位)、何とか決勝戦で帝京と対戦し、久方ぶりの優勝をと祈っていた。
秩父宮での準決勝第1試合は、早稲田対明治。伝統の一戦。
ちょうど1か月前、12月2日の関東対抗戦では早稲田が31対27で明治を破っている。が、大接戦、かろうじて逃げ切った一戦であった。

今日も早稲田が先制した。
が、この後明治が追いつき逆転、明治17点対早稲田13点で前半を折り返した。
なお、フォワードの平均体重は明治の105キロに対し早稲田は100キロ弱。
この5キロの差は大きい。早稲田、スクラムでの早い球出しが求められる。それは概ね上手くいっていた。むしろ重量に優る明治の方が2度もスクラムでの反則を取られていた。

後半14分、早稲田ゴール前。
明治、攻める。早稲田、守る。明治のフェーズは30を超える。

後半19分、早稲田ゴール直前、ゴールポスト直下の攻防。明治の重量フォワードの突進を早稲田が押しとどめる。
早稲田のラグビー、よく展開、転回のラグビーと言われる。バックスがボールをつなぎトライを挙げる、という。それはそれであるが、私は、早稲田のラグビーの最大の醍醐味は自陣ゴール前の5メートルスクラム、また、ゴール直前でのディフェンス、防御にあると思っている。
痺れる。そこに、美さえ感じる。
しかし、この場では明治にトライを許した。

明治22対早稲田13となり、この後ゴールキックも決まり、24対13となる。

後半22分過ぎ、早稲田攻める。
トライ、ゴールも決め、24対20、1トライで逆転という状況に。

が、後半33分過ぎ、早稲田ゴール前に明治が襲いかかる。
早稲田ゴールポスト下の攻防、明治のフェーズ33、明治の連続攻撃が33回に亘っているということ。早稲田、耐えに耐える。テレビで見ていても身体が震える。堪えられない。
が、ついにトライを取られゴールも決められる。これで、明治31対早稲田20。1トライ1ゴールでは追いつかない。
しかし、早稲田は諦めない。

ゲームは残り3分を切った。
早稲田、明治ゴール前に攻めこんでいる。

早稲田、この後トライを挙げゴールも決め、31対27と4点差までつめる。
が、ここでノーサイド。早稲田、決勝へは進めなかった。


準決勝第2試合は絶対王者・帝京と関西の雄・天理の対戦。

このゲームには驚いた。全国大学ラグビー選手権の絶対王者・帝京が敗れたのだから。天理の前に。
天理は素晴らしいゲームをした。
ゲーム開始後すぐトライを奪い、前半19分には何と認定トライを奪った。絶対王者・帝京から。これにはビックリした。
前半、天理12対帝京0で折り返す。

後半開始後早い時間に帝京はトライとゴールを挙げる。12対7。
これで帝京は目覚めるか、帝京のペースになるのかと思った。が、そうはならなかった。

実は、天理は今からだと一昨年となる2017年の1月2日の準決勝でも帝京とあたり、熱戦を繰り広げている。42対24で敗れたのであるが、素晴らしい肉弾戦を繰り広げた。私はその日のブログに「GG、グッドゲーム」と記した。素晴らしいゲームであった。
今日の天理は、より凄かった。
帝京に対しスクラムを押す。モールを組んで前進する。黒いジャージの天理、絶対王者である帝京を終始圧倒していた。

帝京にとっては、今年は大学選手権10連覇がかかっていた。
2009年以来続けてきた大学選手権。明治、早稲田、筑波、東海、名だたる伝統校を退けてきた。
ゲームは後半も半分を過ぎた。
天理が得点を重ねる。天理、強い。帝京を圧倒する。

後半40分を過ぎた。あと1プレイである。スコアは29対7、天理の圧勝となった。

ノーサイド。
帝京を率い9連覇を成しとげ10連覇に挑んでいた監督の岩出雅之、こう語る。「久しぶりに本当の悔しさを味わった」、と。

トータルでのボール支配率はこうであるが、前半など天理が8対2で支配していた。

12日の決勝は、早稲田を破った明治と帝京を圧倒した天理の対戦となる。
天理が宿願の大学選手権初優勝、そして、30数年ぶりの関西の大学としての全国制覇となるのじゃないか。そう思う。