第86回版画展。

秋の上野、日本版画協会の展覧会もある。このところ、古い仲間である小澤潔が毎年入選している。
今年も楽しみ。

日本版画協会、伝統ある団体なんだ。今年は第86回。

入ってすぐ「日本版画協会の歩み」が掲げられている。岡田三郎助、石井鶴三、恩地孝四郎、・・・、・・・、といった人たちのことを含めて。それを載せようと思っていたが、昨年載せたことを思い出しやめた。版画技法のことごとも。

お終いの方の部屋であったが、小澤潔の作品はすぐ分かった。
他の人の作品に比べて、静謐な趣きを漂わせている故。

おそらく何十回も版を重ねているのであろうが、モノトーンに見える。

作品には灯った電灯も描かれているのだが、正面からだとどうしても会場の蛍光灯の光が映りこんでしまう。

タイトルは、こう。
3年前のタイトルは≪Y氏の食卓≫であった。2年前は≪そとは雨降り≫であり、昨年は≪Walk(M)≫であった。そして今年は≪キースを聴きながら≫。
いずれも行動している。何らかの感覚を働かせている。今回は聴覚だ。

後ろにボトルのようなものが見えるので、バーのカウンターであろうか。男が座っている。
”Stella By Starlight”のピアノの調べが流れる。キースの指から。繊細な。

It’s too delicately. 
calm、grace、sentiment and peaceful.

そうではあるのだが・・・
色、色彩がなくなってきている。徐々に。
それはそれでであるが・・・

繊細、静謐に過ぎる、という思いがあった。正直に言えば、私には。
その内何年か先には、「無」になってしまうのじゃないか、と。
キースもいいが、時にはマイルスを聴くのもどうなんだろうか。




少し先にこういう作品があった。
中村花絵≪おもて面のこと 20180614≫。孔版である。昔の謄写版。
北海道新聞の今年6月14日の一面を再現している。孔版で。金正恩がどうこう、という記事を。
今の版画、立体と見まごうものもあり、何でもありの様相を呈しているが、謄写版でコツコツと、というのにも驚いた。


「はんが甲子園」、今年もやっていた。

毎年、佐渡で行われるらしい。3人一組。
このような手順で。

初戦を勝ち上がってきたチームの作品が並ぶ。
左下の千葉黎明高等学校の作品が面白かった。

この作品。≪竜王岩≫。
審査員奨励賞を受けていた。

その作者3人。
男子がひとりで女子がふたりの3人組のようだ。


今日、ラグビー関東大学対抗戦、早明戦、伝統の一戦が秩父宮で行われた。
今年、早稲田のラグビーは創部100年となる。しかし、かっての勢いはない。現在の大学ラグビーの絶対王者・帝京に勝てない。それのみならず、他校に対しても敗れている。
一時は「どうした明治」と気をもんでいた明治は、往年の「タテへの明治」を取り戻している。今年の対抗戦で絶対王者・帝京を破っている。
早稲田、その明治との伝統の一戦であった。
早稲田が先制トライを挙げ先制した。明治が追いかける展開となった。何と明治、PG・ペナルティーゴールを何本も決め早稲田を追いかけた。私は驚いた。あの「タテへの明治」、フォワードで攻める明治がPGを重ねることに。
フォワードは重量に優る明治が強い。ぐいぐい押す。早稲田、後退する。ラインアウトも早稲田は失敗が幾つもあった。それでもゲームは、早稲田が終始リードしていた。
早稲田、トライを重ねる。

後半35分過ぎ、早稲田31点、明治13点、残り時間は5分。
その差18点、2トライ2ゴールでも追いつかない。明治は絶体絶命。

ところが、明治は残り5分で2トライ2ゴールを決め、早稲田に4点差と詰める。1トライで逆転できる。
アディショナル・タイムは3分。それも残り1分を切っている。

明治、フェーズ16まで攻めたが、この後ノーサイドとなる。

早稲田、4点差で明治を下す。

早明両軍、ノーサイド。

対抗戦順位。
帝京、明治に敗れたが、同率の早稲田との直接対決に勝っているので首位となる。早稲田は同率優勝であるが、2位。

大学選手権の組み合わせ。
早稲田は慶應や明治と同じパート。
来年正月のNHK中継で見ることができるかどうか。できれば決勝で帝京と対戦してもらいたいが。