視覚芸術百態 19のテーマによる196の作品展(続き×2)。

昨日の続きを。
この企画展、あちこちで引っかかる。見知ったもの、そうではなく初めて見るもの、あちこちで面白いなー、と思ってしまう。

左の方に三木富雄の耳がある。

三木富雄≪EAR≫。強化プラスチック、銅メッキ。
三木富雄の耳である。東京都現代美術館にもある。いや今や、現代美術を収集していますという美術館にとっては、海外においても「三木の耳」と河原温の日付け「Todayシリーズ」は欠くことのできない作品であろう。日本のコンテンポラリー・アートとして。
その「三木の耳」。

斜めから。
初めに記すのを忘れていたが、本展の写真撮影は届ければ許されている。首から下げるカードをくれ、「撮影にあたっての注意事項」と記されたA4の紙片を渡される。
フラッシュ、三脚、一脚はダメだとか、移動しながらの」撮影はダメだとか、というごく当たり前のことが記されている。もちろん、商業使用を目的とする撮影は一切お断りします、とも。ごく普通に節度を守ればいいんだ。
ついでに記せば、申し出れば音声ガイドも貸してくれる。たしか無料であった。
今、その音声ガイドの紙片を見ると、今まで載せた作品では、私が、「何じゃこれってものもある。あっち見たり、こっち見たり、目ん玉が」って記したライアン・ガンダーの≪あの最高傑作の女性版≫や、高橋重夫の日付け写真を思い出したヤン・ディベッツの≪三枚の写真(遠近法の修正)≫の音声ガイドも入っている。が、夏前のその音声、今、何も覚えていない。

三木の耳の左に、ンッ、あれも知ってるぞ。ジム・ダインだ。

ジム・ダイン≪帽子≫。ミクストメディア、オブジェ、カンバス。
シックスティーズ、60年代のアメリカンポップアートでは、クレイス・オルデンバーグとジム・ダインが好きだった。
ジム・ダインのもっとポップな軽いものも。

あそこにギューチャンの作品がある。

篠原有司男≪三人乗りオートバイ≫。ミクストメディア。
3人乗りって、後ろにひとり乗っている。3人目はハンドルから繋がった棒の上に乗っている。
ギューチャン、時空を飛び越えている。

リチャード・オードリッチ≪無題≫。油彩、ワックス、パネル。
こういう絵を描きたい、と誰しもが思う。
が、誰しもが描くことはできない、こういう絵を。

この部屋へ入る。
国立国際美術館へ入った時に前にいたあの親子がいる。

左の方を見る。

アンソニー・カロ≪テーブル・ピースCCC≫。スチール。

ルーチョ・フォンタナ≪空間概念、期待≫。
水性塗料、カンバス。

斎藤義重≪ちんぴら≫。ラッカー、合板。

シュテファン・バルケンホール≪赤いシャツとグレーのズボンの男≫。木、着色。

ミケランジェロ・ピストレット≪無題≫。シルクスクリーン、ステンレス。
ステンレスに私の前を行く親子や≪赤いシャツとグレーのズボンの男≫が映っている。

マーク・クイン≪美女と野獣≫。ポリマー・ワックス、動物の血。
薄気味悪い作品である。
≪美女と野獣≫って、美女でもあり野獣でもありという生命体なんだ。作家は動物の血を塗ることによって、これぞコンテンポラリーを導き出そうと考えたのだろう。
作家の意図であろうか、やはり薄気味悪い。

バーネット・ニューマン≪夜の女王Ⅰ≫。油彩、カンバスを見上げている人がいる。
バーネット・ニューマンにしては小ぶりな作品であるが、黒っぽい色彩の画面に、バーネット・ニューマンとの思い。

五月女哲平≪He and She #≫。アクリル、カンバス。
タイトルに「#」・ハッシュタグが付く、まさにコンテンポラリー。

高松次郎≪点(No.16)≫。紐、ラッカー、木版。
国立国際美術館、高松次郎の作品は多い。

高松次郎≪ヘッドフォンをつけた影≫。鉛筆、グワッシュ、紙。
今日はここまで。