視覚芸術百態 19のテーマによる196の作品展。

来春には大規模改修工事も終わるようだが、一昨年春過ぎから東京都現代美術館が長期休館に入っている今、まとまったコンテンポラリー・アートが見られる美術館は、大阪中之島の国立国際美術館となる。
琵琶湖から流れ出た水脈が淀川となり、大川となり、中之島にぶつかり二つに別れ、中之島の北側が本流となり堂島川と呼ばれ、南側の細い流れは土佐堀川と呼ばれる。中之島の北と南、堂島川と土佐堀川、双方合わせて中之島に24の橋が架かるが、それを過ぎれば二つの川はまた合流、安治川として大阪湾へ流れこむ。
地理の勉強のようだが、淀川の流れはこのようなもの。
地下鉄四つ橋線の肥後橋で降り、土佐堀川に架かる70メートルに満たない筑前橋を渡り中之島へ入る。

筑前橋から土佐堀川の上流の方を見る。
ビルが立てこんでいる。この向こうの中之島には、北から南へ大阪の中央を走る御堂筋を挟んで日銀大阪支店と大阪市役所が向き合う。
中之島、その向こうには大阪発祥の財閥・住友家が前世紀初めに大阪市に寄贈した列柱の立つ壮大、堂々とした中之島図書館があり、明治末、北浜の相場師・岩本栄之助が当時の金で100万円を寄付し建てた壮麗なバロック様式の大阪市中央公会堂があり、3、40年前になろうか安宅産業が破綻した時、その素晴らしい陶磁器コレクションの散逸を防ぐため、住友グループが一括して譲り受け、建物も建て大阪市へ寄贈した東洋陶磁美術館がある。私が知る限り、日本で最も素晴らしい陶磁美術館である。
歴史の勉強になっちゃたか。ごめんなさい。

筑前橋を渡り、中之島へ。

前の方、パイプのようなものが見える。
これが国立国際美術館。

国立国際美術館、中央部はガラスで覆われているが、地上には上や左右へ延ばしたパイプのようなものしかない。
展示スペースその他、すべて地下にある。世界でも珍しいらしい。設計者はアメリカのシーザー・ペリ。世界的な建築家であるそうだ。現在、日本唯一のスーパートールであるあべのハルカスも彼の作だそうだ。

入る。
このようなものに迎えられるが、すぐにB1、地下1階へ誘われる。

B1(地下1階)が見える。

B1フロア。
B1(地下1階)にはエントランス、案内所、レストラン、ミュージアムショップなどが。

B1とB2の間に、ミロとコールダーの大きな作品がある。
このような・・・

ジョアン・ミロのこういう作品。それはそれとし、
国立国際美術館、元はと言えば大阪万博の後、万博公園の中で誕生した。その後、2004年、中之島の現在地に移設、開館した。

コールダーの大きなモビール。

B1からB2へ下りる。

B2からB3へ下りる。

19のテーマって「点・線・面」とか、「色彩」とか、「素材と形態」だとか、「空間」とかといったこと。何らかのことに当てはまるよ。

全館、国立国際美術館の所蔵作品で構成している。
凄い。

B3(地下3階)、展示室への入り方は幾つかあったようなのだが、私はここから入った。

ヘンリー・ムア≪ナイフ・エッジ≫。ブロンズ。
ヘンリー・ムアの作品、何となく抒情に過ぎる感じがしさほど好きではなかったが、この作品はいい。
文字通り、エッジが効いている。

こちらから。

岡崎乾二郎≪あかさかみつけ≫。
アクリル、ピグメント、ポリプロピレン、ポリエチレン。なくさなきゃ。

これとこれを。

これも。

高松次郎≪柱と空間≫。
油彩、木。

右手・・・

高松次郎≪国生み≫。
鉛筆、色鉛筆、グワッシュ、紙。

その一部。

このような部屋。
その右奥に・・・

工藤哲巳≪二つの軸とコミュニケーション≫。
ミクストメディア。
工藤哲巳って怪し気な作品を作っていたな。これはまだしもの部類。

何じゃこれってものもある。
あっち見たり・・・

こっち見たり・・・

ライアン・ガンダー≪あの最高傑作の女性版≫。
アニマトロニクス、コンピューター。コンピューター制御で動いているんだ。目ん玉が。

マルセル・デュシャン≪ロト・レリーフ≫。
1935/65、紙ディスク6枚。




6枚表裏、12点の作品があるともいうが、どうなのか。