丸山則夫 「季節の瞬間」展。

Gallery銀座一丁目を出た後、同じ奥野ビルの501へ行った。丸山さんはいるかな、と。

剥げた廊下と壁。そこに置かれたArt Space RONDOの小さな看板、OPENとなっている。
丸山さんはいた。いつもまったく変わらない穏やかな表情の丸山さんがいた。

丸山さんの常設展をやっている。
Art Space RONDO、貸画廊であるが、季節季節に丸山則夫常設展を催している。
≪季節の瞬間 Glimpses of the Seasons≫。

Art Space RONDOの白いデコボコとした壁に囲まれた小さな空間に入ると、ホッとする。

均一でない白い壁面に青い作品。

ンッ、何かな。聞きそびれた。何を撮ったのかな。

水かな。何を撮ったのかなー。

奥野ビル501号室のメーンステージ、センター丸窓には・・・

この作品。
写真家・丸山則夫の対象は夜明け前、夜明け直前の世界、と聞いたことがある。何処かは知らないが、そのような気配を感じる。

共に深い趣きをたたえた青。

夜明け前の黙。

夜明け直前の静寂。

作品を手にする作家・丸山則夫。

なぜかこれも。

こういう一画がある。

「一時、こういうものもやってました」、と丸山さん。

「そうですか」、と言った。が、これが写真であるのかどうかは聞かなかった。後で思えば写真ではないであろう。器用な丸山さん、切り絵をしていたのかもしれない。

昨年・2017年1月から12月までの「季節の瞬間」が、フォトブックにまとめられている。

丸山さん、パラパラと。

出入口近くのこの壁面。
左端の作品は・・・

これ。
夜明け前の東京の何処かに、このような光景があるんだ。
窓に映る木の枝は、みな枯れているように見える。

真ん中の作品。
ルオーにこのような作品がなかったか。「夜明けのキリスト」。このような作品が。
夜明けの薄明の中をキリストが歩いていく、という。記憶、朧げで確とはしないが。

常設展示「季節の瞬間」のディスプレイが隅の方に。

夜明け前の空間にふたりの人間が立っている。
何と思うか。感じるか。
「いいねー」、と思い、感じる人が多いのでは。
丸山則夫、季節の一瞬の光景、それぞれの人の思い、その瞬間を切り取っている。