すまいびと。

大相撲春場所、今日千秋楽。
白鵬と稀勢の里が休場、危なっかしい相撲を何番も取っていた鶴竜が優勝という地味な場所であった。実は今場所、半分ほどしか見ていないのであるが。
しかし、見るべきものがなかったかというと、そうではない。あった。相撲が本来持つ力比べ、力勝負の醍醐味が味わえた取組みが何番も見受けられた。
「すまいびと」という言葉を思い浮かべた。

初日、先場所平幕優勝の栃ノ心、今場所は西関脇。
宝富士を力強く寄り切る。

先場所あたりからウヌッ目が覚めたかという小結逸ノ城、元大関・琴奨菊を寄り切る。

私の贔屓力士・御嶽海、派手な投げで荒鷲を一蹴する。

ずーっと飛んで昨日、１４日目。
今場所の逸ノ城、廻しを掴めば強い。この日も正代を上手投げ一閃。

栃ノ心は一気の寄りで千代丸を下す。

結びの一番、鶴竜はたき込みで豪栄道を破り、１４日目にして・・・

この春場所、楽日を待たず鶴竜の優勝となる。

今日、春場所千秋楽での春場所納めの結びの一番、鶴竜、またしても土俵際でのはたき込み。前日と同じ。見られたものじゃない。

軍配は鶴竜にあがったが、物言いがついた。

両者同体で取り直し。
取り直しの一番は、高安が勝った。

それよりも、今日最も見ごたえが」あったのは、栃ノ心と逸ノ城の一番である。

時間一杯、待ったなし。

がっぷり四つ。

両者、引きつけあう。

今場所の逸ノ城はアグレッシブ。
栃ノ心を釣り上げる。

が、釣りきれない。

栃ノ心、逆襲。

栃ノ心、逸ノ城を寄り切る。
栃ノ心、来場所は大関取りの場所となる。

栃ノ心、左上手を取ればべらぼうに強い。

土俵下に並ぶ栃ノ心と高安。
この両者、私は１１日目の勝負が引っかかっている。
高安の勝ちとなった。しかし、私にはどう見たって栃ノ心に分があると思えて仕方がない。
日本相撲協会は、思わず知らず、高安に勝たせたいという思いがあるのでは、と思えて仕方がない。

今場所の星取。

優勝鶴竜。

私は稀勢の里のことが気にかかる。
今場所７日目、ＮＨＫ正解説者の北の富士による「横綱の矜持」とという番組が流された。

このようなもの。



稀勢の里のことが気になって仕方がない。
協会、横審、そして日本国民が横綱とした稀勢の里、その復活はあるのか。
稀勢の里、あと半年ぐらいは休むがいい。そうじゃないと「悲劇の横綱」で終わるであろう。