曹雁峯写真展 富士山・神々の魔法。

ニコンプラザ新宿には、ふたつのギャラリーがある。
昨年末、12月中旬、日・タイ修好130周年記念展の最優秀賞に選ばれた高橋重夫の作品≪解脱への道≫を見に行った。

その折り、隣のギャラリーではこういう作品展が催されていた。

「曹雁峯写真展 富士山・神々の魔法」、と。
「FUJI 365 MAGIC」、とも。

作家のことが記されている。

このように。

「神様しか見たことのない」ってこういうことなんだ。
2016年1月1日から12月31日にかけての1年間、富士山の麓に設置したカメラで27万枚の写真を撮ったそうだ。その中から、77点の作品を精選した、と。
私が行った日、作家の曹雁峯がいた。
多い日は、1日に100枚どころでない数の写真を撮る、という。カメラ自体は富士山麓、富士ヶ嶺の標高1250メートルに設置されているが、東京にいても動かすことができるそうだ。ヨーロッパにいても、とも語っていた。

正面に富士山型に展示。

近づく。

富士山、さまざまに変容する。

1969年、上海生まれの曹雁峯、上海でインテリアデザインを学んだ後、1996年、武蔵野美術大学工芸工業デザインコースを卒業、さらに関東学院大学大学院で建築設計の博士号を取っている。
「写真ではどのような仕事を?」と尋ねた。「私は幾つかの仕事をしておりますので、写真で特にどうということは考えておりません」とのことであった。
コンピューターのプログラミングも含め、さまざまなことを学んだので、カメラそのものの仕様、コンピューターシステム、その他すべてのことをひとりで行っている、という。
驚いた。
曹雁峯、日本に根づいた中国人、ということになろうが、その行動のアグレッシブな様、ヤワな日本人はかなわない。

富士のさまざまな姿が続く。

「絶頂の舞踏会」。

「黄富士」。

「五彩富士」。

「赤富士」。

「赤巻黒富士」。

「夕暮れの赤富士」。

「紅葉富士」。

こちら。

「青龍」。

「白虎」。
自ずと、中国の古い物語が現れる。


今日、北朝鮮は軍創設70年の軍事パレードを行なった。
ピョンチャン五輪の開会を翌日に控えたこの日に。金正恩、アメリカの圧力には一歩も引かぬ、と全世界に示した。困ったものであるが、アメリカに優れたリーダーが現れぬ限り、この状態は続くのであろう。
その一方、北朝鮮、ピョンチャンに芸術団とか応援団とかいうものを送りこんでいる。和戦両天秤である。
それはそれとし、韓国の若い男が熱い視線を送っている北朝鮮の若い女の子の団体、その服装、どこやらダサイ。ただ派手派手しい50年前の日本のGSの服装じゃないか。時代遅れも甚だしいよ。
その点、明日の金与正がどのような出たちで、世界のカメラが待ち受けるピョンチャンへ降りたつのか、興味は尽きない。
金与正、金日成の直系の孫、芸術団や応援団の女の子とは、その立ち位置、まったく異なる。