マジカル・アジア(続き)。

アジア各地には、吉祥、魔よけ、祈り、呪い、・・・、不思議なパワーにまつわる品が多くある。昨日の続き。後半。

アジアン・マジカル、てんこ盛り。

アジア企画となると出てくる幾つもの占いが店を出す。

2度や3度いい結果が出なくても、最後には「吉」とすることができるラッキーアイテムも健在だ。

中国絵画の部屋。

見づらいが4幅。

この説明書きによれば、上の4幅、右から拾得、寒山、李鉄拐、蝦蟇仙人であろうか。

書。

「礼器碑」。
紙本墨拓。後漢時代であるから、今から2000年近く前。
右の説明書き、面白いのでそこのみ下に。

このような。

陶磁器の部屋。

朝鮮の青花。ゆったりと美しい。


アンコールの彫像。

蛇の神・ナーガと仏陀。
カンボジアだ。アンコールだ。

アンコールの仏さま、人を包みこむよう。

チベットだ。
インドからチベットへ伝わった仏教、チベットで独自の進化をとげ、チベット密教独特の思考体系を創りだす。

その造形も独自の思考、独自の美意識に基づいたものとなる。
仏像である立体であろうと、曼荼羅やタンカといった平面作品であろうと。

八臂の十一面観音である。
面白いな。

このような。
なお、チベットの仏像、その多くは銅造、鍍金。

チベット密教独自の造形である。

チベット、ネパールまたは中国、と書かれている。チベットで作られたかもしれないが、ネパールや中国で作られたかもしれないということだろう。チベット密教、チベットの地ばかりでなく、ネパールや中国へ伝播していった。
15〜16世紀のものとも記されている。時代がある。
チベットへは行ったことはない。が、チベット密教の影響を受けているネパールには何度か行っている。首都・カトマンドゥに国立博物館があり、チベット密教美術も多く展示されている。私の記憶では、そこに展示されている仏像や曼荼羅、タンカの年代がさほど古くなかったような気がする。だから、東博のこの15〜16世紀の仏像は、時代がある方じゃないか、と思えてくる。

そうだ、上の説明書きには「父母仏」となっているが、これはいわゆる「歓喜仏」、「合体仏」という方が通りがいい。ここを切り取ってみても。
しかしである。
チベット密教美術の奥深さは、それにとどまらない。その足元を見る。

日本の四天王でも邪鬼を踏みつけているが、それと同じような状態となっている。
左右の足で、ヒンドゥー教のシヴァ神夫婦を踏みつけている。仏教、仏の偉大さを示している。

あとひとつチベットの仏さまを。

このような仏像。

近寄ると、バイラヴァと呼ばれる忿怒の形相。
さまざまな形態、表現を取られる骸骨・ガイコツもチベット密教美術の定番である。面白い。
チベット密教美術が好きで、10数年ぐらい前まではインドやネパール、中国、香港などの古道具屋や蚤の市を巡っていた。私の懐では碌なものは買えない。ほとんどは今出来のものであるが、平面、立体、幾ばくかのチベット密教ものを求めた。
が、遠い昔となった。今では行くことさえできなくなった。昨日の小室哲哉と同じである。小室哲哉よりは一回り以上年上なので当然ではあるが。

このコーナー、大阪の民博(国立民族学博物館)のようだな。

東博にしては珍しい。民博だ。

左は、これ。

右は、これ。

博物館ってものは、やはり凄いものなんだな、と解らせてくれる。
100年以上も前のこんなものを、ずっと収蔵しているなんて。

こういうものなんだ。
この呪詛人形を釘で打ちつけた人、あなたの呪いはどうなったのであろう、と考える。

マジカルの館・東洋館、ひと時、アジア旅を楽しんだ。