TEAM BORDER展。

11月の半ば、届いた案内ハガキにはこう記されていた。
<ねぇ、ご存じ?  あのチームボーダーが今年も・・・・・・
 えっ!?  あのチームボーダーが・・・・・・ >、と。

昨年に引き続いてのチームボーダー展である。銀座8丁目金春通り、月光荘画室3での。

この「月光荘画室」とか「月光荘No3」とかと書かれた板が、私は好き。
ドアのガラスを通してチームボーダーの面々の顔写真が見える。

チームボーダー、男女混合、日英混成のチームである。
左から小澤潔、山宮絵美里、ジョージ・ウォレス、佐藤微子の4人組。

既に、みんな来てる。
広くはない月光荘画室3の中にひしめいている。

ウヌッ、山宣の額に生傷がある。
やはり、カラオケのリモコンで殴られたのか。

この後ろの作品はジョージ・ウォレスの作品。
ドローイングとウォーターレスリトグラフ。

このような。面白い。
開かれた心、揺蕩っているよう。

ここはタイトルが読みとれる。
上左は≪お前のパイプのスティック≫、右は≪オフサイド≫。
下は左から≪牛犬≫(作家・ウォレスの思考、すっ飛んでいる。牛犬って牛と犬との合いの子だ。現実世界ではあり得ない。が、それを出現させてしまうところが得も言えず)、真ん中は≪Woof≫(ウー、犬の唸り声である)、そして右は≪ラブ≫、ちょっと拍子抜けしてしまう。

≪羊の床屋さん≫、だと思うのであるが、実は作家・ウォレスが書いているのは「羊」という言葉ではない。
英語国の本家本元の出身であるジョージ・ウォレス、英語を間違えるはずはないとは思う。が、ジョージ・ウォレス、日本に来てから30年になる。アルファベットの細かいことなど、ついうっかりということもあろう。

佐藤微子の作品。

左は≪rust 錆≫。中央の下は≪ドーナツ、どうする?≫。

これも≪ドーナツ、どうする?≫。

≪らくがきとかべ≫。
ミクストメディア、ジャバラ本。

山宮絵美里の作品は向こう。

山宮絵美里と犬飼三千子。

木版画、水性凸版。

左は≪Noci Labirinto vina≫、右は≪Noci Bandier≫。
調べる気力がない。意味は解らない。

小澤潔の作品≪貌≫。
木版画。水性凸版である。

小澤潔、男の顔貌を前と後ろから紡ぎだす。いや、抉りだす。

この男。

この男の顔貌。

この男の顔貌。

この男の顔貌も。

この男の顔貌も。

小澤潔の版画世界、静謐、スタティックな印象を持っていた。
が、今回の作品は荒々しい。ガツンと来ている。男の顔貌を描いた故か。
私は好き。



この後、学生時代の古い仲間、コリドー街の居酒屋で忘年会となった。
永年務めていたアサビを辞め、評論家一本となったとたんに気力体力がみなぎり元気になった吉岡(筆名・早見堯)何から何まで取りまとめ、16名の仲間を集めた。
左に8人、右に8人、その顔1/3も写っていない者もいるが、それも含め数えると16人がいる。
早見堯、美術評論より飲み会の幹事役のほうが納まりがいいのでは、と思うくらい。



10日ほど前、こういうハガキが届いた。
チームボーダーからの「THANKS(ありがとう)」、というハガキ。
趣きあるな。