荻野美穂子展。

年に一度の荻野美穂子展、今年は一昨年と同じ銀座2丁目のgallery iで。

gallery iの看板、ギャラリー内と同じく細長い。

ギャラリーのドアを開け中へ入ると、奥から荻野さんが出てきた。1年ぶり。

こちら側から観る。

突き当たり奥の作品、今回の出展作の中では最も大きな作品である。
赤丸がついていた。
よかった。荻野さん、毎日、絵を描いているというのだもの。

F30号。
タイトルは、≪ABC・・・≫。

その右の小さな作品が面白い。
厚く垂れこめた雲海を、竹べらのようなもので削りとったような線。作家・荻野美穂子の独自世界である。
タイトルは、≪わくわく≫。

荻野美穂子の作品は、クレパスで描かれている。以前聞いたところではサクラクレパス。
クレパス画らしい作品。タイトルは、≪未来に≫。

フォートリエを思わせるこの作品のタイトルは、≪さあ!!≫。
ところで、私が知る女流美術作家の皆さん、おしなべて私の理解の範囲を越えるタイトルをつけている人が多い。どうしてこんなタイトルをつけているのだろう、と思う人が多い。絵はとても面白いのに、タイトルはどうしてって。荻野さんもそのひとりである。
上に掲げた作品のタイトルでも、「ABC・・・」、「わくわく」、「未来に」、「さあ!!」、何かヘン、ピタッとこない。絵が泣く。
こんなことを書くと、来年から案内ハガキがこないかな。ま、そんなこともなかろう。

ギャラリー内、反対側を見てみよう。
窓際の方。

まず左側の壁面。
5点の作品がバランスよくかかる。

クレパス画らしい作品・≪かわらないで≫。

これのみは水彩画である。
≪夢の中≫。味わい深い。

窓際の椅子の上に、去年の個展の時や他の個展の時の写真をまとめたスクラップブックが置かれている。

荻野さん、何かを書きこんでいた。

ところで、案内ハガキにも刷られており、ギャラリー前の看板にもフューチャーされている作品、どこにあるんだろうと思っていたら、窓際の少しへこんだ壁面にあった。
タイトルは、≪いろいろ≫。
F0号。とても小さな作品である。
その色調、温かな希望を感じる。