湖北・長浜逍遥(13) 竹生島(続き)。

長浜港から竹生島まで30分。船着き場からきつい階段を上がり宝厳寺本堂である弁財天堂へ参り、重文の五重石塔の横を通り、三重塔を拝み、小さな宝物館へ入り、西国三十三ケ所奉安殿の前を通ると、船着き場の方が見えてきた。
昨日は、ここまでで終わり、続きとした。
今一度、案内図を載せる。

半分以上は来た。
あとは石段を下り、国宝の唐門や船廊下、そして都久夫須麻神社本殿といった国宝、重文のところを巡るのみ。

しかし、石段を下りてくると、シートだらけ。頭上注意とか足もと注意なんて書いてある。

その中に御賓頭盧尊者がおわした。ぼろぼろになったお賓頭盧さまが。
いつの頃からか、お賓頭盧さまにお会いすると、膝や腰、また頭その他あちこちを撫でさせていただいている。小銭を投げ入れ、この日もそうした。

このような中を進む。

船廊下。
「国宝」と記されているが、それは勇み足で「国宝」ではなく「重文」である。しかし、その簡素な美しさ、とても味わい深い建造物である。

少し進んだ出口近くにこのような掲示があった。
国宝宝厳寺唐門他3棟保存修理云々、ということが記されている。
竹生島、宝厳寺のメーンとなる建物、修理中らしい。だから、国宝の唐門にも気がつかなかった。シートに覆われていたのであろう。致しかたない。

シートで覆われたところを抜けると、目の前にはこの光景。
琵琶湖が一望できる八大竜王拝所。

かわらけ投げ、との字句もある。
しかし、かわらけ投げはしなかった。
3年前、比叡山へ行った折り、ロープウェイの乗換駅でかわらけ投げをした。が、5、6メートル先の輪っかにかわらけを通すのに苦労したことがある。
もうそんなことはしなくていい。

この女人は、琵琶湖に向かい拝んでいる。

私もそうした。
この琵琶湖の湖面に。

竹生島は祈りの島である。
宝厳寺の島であるが、さまざま多くの社がある。
白巳大神もそのひとつ。
いや単に、私の干支が巳であるということだけであるが。

竹生島の港の方へ戻る。
船廊下の下であろう。足代を組んだ舞台造りの横を通る。

暫らく進んで振りかえる。
国宝唐門、このシートの中に入っていたんだ、おそらく。

船着き場へ戻る。
信長由来の赤こんにゃくを食う。
美味かった。

帰りの船が着いた。

竹生島の港を離れる。

緑の湖面を白波が。その向こうにはブルー、いやグレーっぽい山並みが。さらにその上には、白っぽく変化するのか得も言えぬ色調の雲の色。

左の方に長浜城が見えてきた。
長浜の町が近い。

長浜の港に着くと、次の便に乗るこのような人たちにいきあった。
皆さま、南無観世音菩薩と染め抜かれた法被を着ている。その数、2、30人。

付き添えであろうか、墨染めの衣のお坊さまがふたり、つきそっていた。
竹生島の何らかのところで、何らかのことをなすのであろう。