湖北・長浜逍遥(10) 鶏足寺と石道寺。

このあたりには「鶏足寺」と呼ばれるところが3か所ある。己高閣も鶏足寺の収蔵庫である。己高山の近くには旧鶏足寺跡がある。そしてこれから行こうとしている旧飯福寺も鶏足寺である。
ずっとついて歩いて説明をしてくれたおじいさんに「鶏足寺と石道寺へはどう行けばいいんですか?」、と訊いた。

「あぁ、この下、あそこの道を行けばいい」、と右下の方を指さす。

降りていくとコスモスが咲いていた。

この道なんだ。
「よもぎ」って書いてある。

薬草園らしいが、私にはただの雑草に思えた。

すぐにこのような道に。

無人販売所。
トウガラシ一束100円。誰か買う人いるのかな。

小さな川を渡る。
滝のようになっているところ、水が勢いよく流れていく。2日前の台風21号で降った雨が今、流れていくのであろう。

ここでは落ち葉と言うより小枝が通路に落ちている。これも台風がなしたものであろう。

右手の方・・・

お茶畑なんだ。

このような立札がある。

すぐにこのようなところに出た。
と、先生であろうか若い女性に率いられた小学校低学年と思われる6、7人の子供たちがどこからか現れ、追い越していった。

横にはこのような標識が立っている。
鶏足寺(旧飯福寺)、という。

旧飯福寺、このような寺である。

こういう石柱が立っている。

これも。
旧飯福寺、幾つもの堂塔伽藍を誇っていた模様。

護摩堂。
小ぶりなお堂が残っている。

子供たち、勢いよく石段を上っていく。

上には小さなお堂が見える。

お堂のみがある。
このお堂が鶏足寺と呼ばれているのかな。かってはおわした仏さまは、今は己高閣に入っているのであろう。

元気な子供たちは横の方へ散っている。何かを探しているのだろうか。
私は引き返す。

大きな重機が入っていた。
チェーンソーの音も聞こえてくる。前々日の台風で折れた枝などを処理している模様。

石道寺はすぐそこ。

すぐ先に石道寺のお堂が見えてくる。

石道寺。

石道寺、このようなお寺である。
しかし、現在では無住の寺。地域の皆さんがお守りしている。

お堂内にはこの十一面観音。

私は読んではいないが、井上靖の『星と祭』の一節を記した標識も。
また、この十一面観音について、白洲正子はこう記す。
<一木造り等身大の藤原彫刻は、まことに古様で、美しい。微笑をふくんだお顔もさることながら、ゆるやかに流れる朱の裳裾の下から、・・・・・>(『十一面観音巡礼』 昭和50年 新潮社刊)、と。十一面観音の「遊び足」についての考察へと。

バス停への途中でふりかえる。
木之本でのことごとを。

長浜の観光案内所でもらったパンフを複写する。
パンフには、木之本の古橋近辺、輿志漏神社や己高閣、世代閣から鶏足寺、石道寺までの散策、その所要時間は1時間から1時間半とある。
私は休み休み、ゆっくりゆっくりと3時間ばかりをかけた。