美術館を手玉にとった男。

「オリジナリティー」って何なんだってよく言われる。
マーク・ランディスはこう言うんだ。「オリジナルなど存在しない。すべてには元ネタがある」、と。つまり、みんな模倣であるって。
2011年、アメリカの多くの美術館の所蔵品が贋作であることが発覚した。その数、100点以上。
その贋作を描いたのがマーク・ランディスなんだ。マーク・ランディス、全米20州、46の美術館を30年間騙し続けた。凄まじい贋作画家である。

稀代の贋作画家を追ったドキュメンタリー。
監督はMoMAでの勤務経験を持つジェニファー・グラウスマンと画家のサム・カルマン。


もちろん主役というか、美術界にバックグラウンドを持つ2人の監督が追うのはこの男・マーク・ランディス。
マーク・ランディス、1955年生まれ。撮影時にはまだ60歳前のはずだがこのような面貌である。統合失調症であるが、それよりも贋作画を著名美術館に納めるのが凄い。寄贈するんだ。無償で。
しかし、無償で寄贈するとはいっても、美術館はおいそれとは受け入れないよ。学芸員が入念にチェックする。その専門家の厳しいチェックを潜り抜けての美術館の収蔵である。全米46の美術館の学芸員、その目は節穴、赤っ恥をかかされたってことになる。

ランディスの腕は当然凄い。超絶技法を持っている。
なにしろ15世紀の宗教画からピカソ、マグリット、ローランサン、シーレ、・・・・・、何でもござれである。エイブラハム・リンカーンの文書の偽造までやってのける。

FBIが捜査に乗りだす。
が、贋作画家・ランディスを捕まえることはできない。

ピカソにしろマグリットにしろ、その贋作を本物と偽って売り、金銭を受け取るのは犯罪である。詐欺である。
しかし、マーク・ランディスは、自ら描いた贋作を無償で寄贈している。詐欺ではない。FBIも立件できない。
全米の名だたる美術館に赤っ恥をかかせてはいるのだが、それは罪にはならない。キュレーターの皆さんも大変だ。

それらの中、オークランドの美術館であったであろうか、そこのマシュー・レイニンガーという男(左の男)がマーク・ランディスから寄贈された作品が贋作である、と気づく。
本作、レイニンガーをも追う。
ひょんなアイデアからマーク・ランディスの作品展が開かれる。
そこで・・・、・・・。


何日か前、安倍晋三、衆議院を解散すると言った。
今日、いや昨日か、小池百合子は新党・「希望の党」を立ち上げ、自ら党首となった。
民進党代表の前原誠司は、小池百合子の新党に合流するらしい。前原自身は、この衆院選、無所属で出る、とのこと。
だらしない。
小池百合子による民進党へのM&Aである、と言えよう。
2、3か月前の都議選の折り、私はこう記した。
<小池百合子が自民党をボコボコにしていた。
驕れる自民党に鉄槌が下る、といえばそうではあるが、自民党をボコボコにした小池百合子の勝利、これこそポピュリズムの極み、と言わざるを得ない。>、と。
小池百合子の手法、ポピュリズムの極みである。
やな流れだな、と思っている。


ひとつお伽話を。
ドナルド・トランプと金正恩をロケットに乗せて大気圏外へ飛ばす。
その中で、両者プロレスをするのはいかがかと。