ヒトラーの忘れもの。

昨日のブログ、後ろの方の文章が消えてしまった。時としてあること。中途半端であるが、もう改めては打たない。仕方がない。稀にではあるが、出てくることもあるし。
『ヒトラーの忘れもの』、デンマークとドイツの合作。今年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたが、惜しくも賞は逸した。

1945年5月、ナチス・ドイツによる5年に及ぶ占領から解放されたデンマーク。大戦中ドイツ軍が海岸線に埋めた200万に及ぶ地雷を除去するため、捕虜のドイツ兵が使われる。10代の少年兵たちも。その半数は、除去作業中の爆発で死亡または手足を失ったという。

『ヒトラーの忘れもの』、監督はマーチン・サントフリート。ドキュメンタリーを撮っていた人だそうだ。
実は、デンマークはナチス・ドイツと戦って占領された国ではない。ナチス・ドイツの侵攻によりその保護国となったそうだ。そうは言っても、ナチス・ドイツに占領されていることには違いはない。デンマーク国民のナチス・ドイツに対する恨みは凄まじい。
地雷除去作業で捕虜のドイツ兵が地雷に吹っ飛ばされていくら死んでも、そんなことはどうってことない。もともと地雷を埋めたのは、お前たちの国・ドイツなんだから、と。
ドイツという国に対する憎しみ、恨みを、個人に落とし前をつけさせる。そのことに何の痛痒も感じないデンマークの人々。それほどにドイツに対する憎しみは強い。ドイツ人を赦せない。

15歳から18歳の捕虜となったドイツの少年兵11人も、地雷除去を命じられる。指揮するのはラスムッセンという名のデンマークの鬼軍曹。捕虜の少年兵たちを恨み骨髄の面貌で罵倒する。

捕虜のドイツの少年兵、慣れぬ手つきで地雷を探していく。
捕虜の少年兵に地雷除去をさせること、ジュネーヴ条約に抵触する。が、デンマークとドイツ、交戦国ではなかったんだ。その後、東西冷戦も始まり、デンマークは西側となったこともあり、この問題はずっと裏側に隠されていた。

見つけた地雷、ゆっくりと掘り起こす。震える手で信管を外す。

少年兵たち、除去作業が終わればドイツへ帰す、と言われている。

幾つかの挿話が挟まれる。
鬼軍曹・ラスムッセンの心も鬼から菩薩、また鬼に、と揺れる。

地雷除去作業、ひとつ間違えれば体が吹っ飛ぶ。
初め11人いた捕虜のドイツ少年兵も、残るは4人となった。彼らはドイツへ帰ることができるのか。
が、ここでまたも難題が出てくる。地雷除去の経験を積んだ残り4人の少年兵を、別の場所の地雷除去にあたらせようというもの。
初めは鬼であったラスムッセン軍曹、重い決断をする。
ドイツの少年兵たちを救うんだ。自らの身を挺して。
昨日の『ヒトラーの贋札』も、実話に基づいたものである。そして今日の『ヒトラーの忘れもの』も、実話に基づいたものであるそうだ。
デンマークにとっては、負の側面。それを表に晒す。ヨーロッパの成熟度の高さを感じる。


あと何時間か後、ドナルド・トランプが重大発表をするそうだ。
アメリカのメディアでは、おそらくパリ協定からの離脱を発表するのだろう、と報じられている。
ドナルド・トランプ、臍が茶を沸かすようなキッチュな言葉を数限りなく吐いている。「地球温暖化はでっちあげだ」なんて、バカこの上ない暴言も。
トランプ、そのバカこの上ないことをやろうとするのか。
それにしてもである。アメリカ人、好きな人たちであるが、やはりおバカさん。