博物館でアジアの旅。

東博、というより国立博物館の会員となって30年以上、おそらく40年近くとなる。
安い年会費で、常設展なら年中フリーパスだから時折り訪れる。また、時間つぶし、時間つなぎで訪れることもある。館内のソファに座って休憩する。東洋館横のレストラン・ゆりの木に入ることもある。館内のレストラン、ホテルオークラの運営であるから、時折り食べる五目しるそばも安いが美味い。本館ばかりじゃなく東洋館へもよく入る。東博でのルーティンのようなもの。
その東洋館、2013年の正月、リニューアルオープンした。もう4年近くになる。速い。このところ秋には、「博物館でアジアの旅」をやっている。
この秋には、東博と上海博物館のコラボを行なった。

東博×上博。

東洋館入口右手。

こちらは左手。

両館長の言葉、広げて読んでください。

まず仏像から。

東博・東洋館の1階は、中国の仏像が展示されている。
常には、撮影は許されている。が、今回は東博の所蔵物は撮影可能であるが、上海博物館の所蔵品は撮影不可。で、それを縫って撮る。
ここに写っている個所は東博の所蔵品。この手前には上海博物館収蔵品がある故、それを避けている。

やはり1階、宝慶寺石仏群。
東博の誇る優美な仏。

このような。


唐代の仏像であるが、今、東博の宝。


青銅器へ。


東博所蔵品。

東博正面横の看板やパンフレットに今展の主役として載せられている高足碗。東博所蔵。
バランスがよく、美しい青花。

このような。


東博所蔵の花鳥図。

清代の刺繍氅衣。

このような。
東博所蔵。

今回、上海博物館からは55件の至宝が来ている。
が、それらの撮影は禁じられている。上に掲げたものはすべて東博所蔵のものである。
ところで上海博物館、北京の故宮博物院と並ぶ中国を代表する博物館である。
私は、4度訪れている。
最初は20数年前。訪ねて行ったら上海博物館はなかった。建て直すので別の場所へ移っている、との看板があった。博物館の跡地には、先進的なホテルを建てる、ということのようであった。博物館へ苦労して訪ねて行った。が、これが上海博物館か、という気落ちのする展示であった。がっかりした。
1990年代初め、中国では訒小平による社会主義市場経済の動きが加速していた。何千年に及ぶ中国文化よりも金儲けか、中国は、と私は憤った思いがある。
実は、その頃から中国はおかしくなった。修正資本主義(この言葉、私以外だれも使わないが)、いわばハイパー市場主義となり、さらに中華帝国を目指す覇権主義の国家へと変質していった。
それはおき、鼎を思わせる形状の今の上海博物館が新しく開館したのは、1996年の秋である。
私はそのすぐ後、1997年の1月に訪れ、その後、都合3度訪れた。
手元に1997年1月4日、という書きこみのある上海博物館の図録が7冊ある。この年の正月休みに訪れたようだ。



今回東博へ来た上海博物館の宝55件の中、私が持つ上海博物館図録の中に扱われている作品を、その図録から探し、複写する。

右、≪菩薩立像≫。
唐時代・7〜8世紀。

≪龍紋壺≫。
西周晩期(公元前9世紀ー前771年)。

≪七牛貯貝器≫。
西漢(公元前206年―公元8年)。

≪景徳鎮青花纏枝牡丹紋瓶≫。
元(公元1271−1368年)。

≪青花蓮龍文碗≫。
龍である。龍こそ中国皇帝の証し。
中国・景徳鎮官窯。
明正徳(公元1506−1521年)。

≪琺瑯彩纏枝牡丹紋碗≫。
清康煕(公元1662−1722年)。
美しい。




今日、雪が降った。
11月の初雪では50何年目だとのこと。
しかし、さほどの雪でなし。

もう少し積もれば長靴を履いて外へ出よう、と思っていた。が。積もることはなかった。
アパートの上からささやかな雪模様の下を見る。