先鋭新象作家展。

夏前、気仙沼へ送る新象展の鯉のぼりのところで会った安藤イクオさんから案内をもらった。

夏の終わりのグループ展。

画廊るたん、銀座6丁目、松坂屋の裏、昭和通りの近く。

安藤さんはいなかった。「つい先ほど帰られました」、と画廊の人。
が、安藤さんの作品はすぐ分かる。

安藤イクオ≪文字はアートだ≫。
安藤さん、看板屋であり、絵描きであり、書道教室の先生でもある。
で、その作品のタイトルは、「文字はアートだ」。解りました、と言う他ない。

三条院の和歌が描かれている。
     心にも あらで浮世に
      ながらへば 恋しかるべき
       夜半の月かな

三条院、冷泉天皇の皇子、第67代天皇である三条天皇である。

画廊内にはこの人がいた。
自作の前で写真を撮っている。
「あなたのこと、安藤さんの作品と一緒に、私のブログに載せてもいいですか」、と訊いた。川口和彦さんといわれるこの人、「いいですよ」、と言われる。

川口和彦≪移≫。油彩。
改めて見てみると不思議な絵である。
白と黒が目に入る。が、それと共に青や薄い緑や黄色や、といった脇役が目を射る。
単なる抽象、単なるアブストラクトを超えている。まさに。


ノーベル文学賞が発表された。
今年のノーベル文学賞、ボブ・ディランが受賞した。
やった、との思いが強い。
ボブ・ディラン、何年も前から候補に挙がっていた。ついに、ということであろう。
youtubeで、久しぶりに”Blowin’In The Wind(風に吹かれて)”を聴いた。
     How many roads must a man walk down
     Before you call him a man?
     ・・・・・・・
     ・・・・・・・
     Yes、
     ’n How many times must the cannon bolls fly
     Before they’re forever banned?
     ・・・・・・・
     ・・・・・・・
     The Answer is blowin’in the wind
youtubeで1963年3月のLive on TVの映像を見た。903万8千回余、再生されていた。
この詩が、ノーベル文学賞に近づけたんだ。ボブ・ディランを。
3年前になる。
コッポラが製作総指揮をとり、ウォルター・サレスが監督をした映画「オン・ザ・ロード」を、このブログで記した。
言うまでもないことながら、「オン・ザ・ロード」、その原作はジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」である。ビートニクの聖典。
3年前、2013年9月23日の「流山子雑録」に、私は、アレン・ギンズバーグと共にジャック・ケルアックの墓参をするボブ・ディランの写真を載せた。
ビートニク、ジャック・ケルアックもアレン・ギンズバーグもノーベル文学賞を取っていない。
ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞、ケルアックやギンズバーグ、さらにウィリアム・パロウズやグレゴリオ・コーソなど1960年前後のアメリカのビートニクが受賞したと言えるのではないか。
ボブ・ディランに憑依して。


タイのプミポン国王が亡くなった。
私が知る中で、その国中に多くの肖像が貼られていたのは、イランのホメイニ師とタイのプミポン国王が双璧である。
プミポン国王、国の重しであった。次代の王はどうであるのか。いずれにしろ、王政に無理が生じること、時間の問題であろうが。