中村吉右衛門展。

中村吉右衛門、1963年に早稲田に入っている。で、伝統に従い中退している。
できの悪い私は、8年間在籍、実力者教授の力技で、おそらく超法規的処置で卒業となったが、できの良い連中は、2、3年でやめていってしまう。それが早稲田の伝統のひとつ。吉右衛門もその道を選んだ。しかし、芸術選奨新人賞を取った1977年、早稲田大学推薦校友となっている。卒業者と認定されたんだ。懐の深さだ、早稲田の。

唐十郎と中村吉右衛門、同世代っていえば同世代。しかし、その歩んできた道、背負っているものはまったく異なる。対極のふたり。
そのふたりが演博で並び立つ。早稲田の演博だ。

吉右衛門、昨年、早稲田大学芸術功労者の顕彰を受けた。
で、中村吉右衛門展。
この図、<「伊賀越道中双六 沼津」呉服屋十兵衛(2010年9月 新橋演舞場)楽屋にて>、とある。

パンフの裏表紙。

<「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」熊谷次郎直実(2013年4月 歌舞伎座)幕外>、と。

「あゝ新宿展」のパンフは、ペラ1枚。
対し、さすが人間国宝。「中村吉右衛門展」のパンフは、手にずっしり、厚手の紙の観音開き。

<「競伊勢物語」紀有常(2015年9月 歌舞伎座)>、とパンフにある。
なお、この衣装は展示してあった。豪華絢爛、という言葉そのもの。

吉右衛門、昨年の早稲田の卒業式の折りに芸術功労者の顕彰を受けたようだ。
昨年の卒業生を前に挨拶をしている。
ああ、これじゃ読めないな。一部のみ引いてみる。
<・・・・・。こうして高みから私は、皆さんに偉そうな事を言える人間では本当はないのでございます。と、申しますのも私、・・・・・、もう半世紀前になるんですね。・・・・・、憧れの早稲田、文学部仏文科に入学したまでは良かったのですけれども、・・・・・、途中で挫折、早い話が中退してしまいました>、と吉右衛門は語る。
吉右衛門、昨年の卒業式で若い卒業生にごく自然にはなむけの言葉を述べる。
会場には、その映像、音声も流れていた。
振りかぶった物言いでなく、ごく自然。芸の力なのであろう。

演博、シェイクスピア時代の劇場、フォーチュン座を摸して造られた。

坪内逍遥記念の博物館。
我が国唯一。他にない。
故に、暴れられる。


立命館と阪大の教授がノーベル賞を取った。
「股のぞき効果」を実証したそうだ。
日本の学者、毎年毎年、ノーベル賞を受賞している。凄いものである。前に「イグ」って言葉がついているが、それにしても例年の受賞、凄い。


ニューヨークでの国連総会に出席していた安倍晋三、今日、キューバを訪れた。
ラウル・カストロとの会談はそれとして、フィデル・カストロを私邸に訪れ1時間以上にわたり話した、ということには驚いた。
フィデル・カストロと安倍晋三、唐十郎と吉右衛門どころじゃない。対極中の対極。
そういう時代なのかな。キーワードは北朝鮮の核であるが。
それにしても、驚いた。