第55回大調和展。

何年か前から大調和展を観ている。
さほど親しい人ではなかったが、現役時代同業のオーナーだった人から案内が届く。それがなければ、恐らく大調和展という団体のことも知らなかったであろう。

第55回大調和展。

入る。
新象展と異なり、具象、写実の世界。
硨島さんの今年の作品はこれ。

硨島時雄≪干潮の漁港≫。会員佳作賞を取っている。
どこの漁港なのであるかは分からない。硨島さん、引退した後アトリエを作り、毎年1、2回ヨーロッパへスケッチ旅行へ行っている模様。この明るい色彩から見れば、南欧の町ではないか。

硨島時雄≪剥がれた教会の門から≫。
いずこかは知らない。が、ヨーロッパの地、このようなところはある。

こういうところがあった。特別企画。
「大調和会の歩み 武者小路実篤とその仲間たち」。

大調和会、その第1回展は昭和2年。出展作家はこのような人たち。
なお、左の写真の左から3番目は武者小路実篤。

岸田麗子≪対話≫。油彩。
1923年の岸田劉生と娘の麗子。

幾つかの資料が展示されている。

当初の大調和展、白樺派と寄り添ってきた。

大調和展の第1回展は昭和2年。
その審査員は、高村光太郎、佐藤春夫、犬養健、倉田百三、・・・・・、・・・・・。今から思えばビッグネームが並ぶ。
岸田劉生の死により、長く休会とも。

上は、武者小路実篤と志賀直哉。
武者小路実篤と白樺派の皆さまとの写真が並ぶ。

ここにも資料ケースが。

その中は。

武者小路実篤。

何と言うべきであろうか。成るほどというべきであろうか。

花も実もあるこの世哉。81歳 実篤。
何と言おうか。

共に咲く喜び。82歳 実篤。
ウーン。

安子の古希の日。85歳 実篤。

自由自在。87歳 実篤。
お気に召すままご自由に。

そして、これが出た。
日日是好日。89歳 実篤。
翌年、武者小路実篤、90歳にて死ぬ。幸せだったんだろうな、おそらく。