パリよ、永遠に。

アカデミー賞、ケイト・ブランシェットもルーニー・マーラも取れなかった。その代わりレオナルド・ディカプリオが、5度目の正直で主演男優賞を取った。何が”その代わり”なのかって、さしたる根拠はない。単にディカプリオが好きなだけ。
それはさておき、もしもパリが消えていたらって、そんなこと考えたくもないよね。しかし、1944年8月のパリ、間一髪だったんだ。

第二次世界大戦の末期1944年8月、パリは未だナチスドイツの支配下にある。しかし、連合軍はノルマンディー上陸作戦の後パリへ迫っている。ナチスドイツの敗色は濃厚である。
アドルフ・ヒトラー、パリ壊滅作戦を命じる。
ノートルダム寺院も凱旋門もエッフェル塔もオペラ座も・・・・・も、パリのパリたらしめているすべてのものを爆破せよ、との。
ヒトラーのパリ爆破命令を受けるドイツ軍パリ防衛司令官・コルティッツ将軍とパリ生まれパリ育ちの中立国スウェーデン総領事・ノルドリンクの丁々発止の外交交渉が始まる。
実話である。

『パリよ、永遠に』、監督は、ドイツ人でありながらフランスで映画修行をしたフォルカー・シュレンドルフ。
コルティッツ将軍に扮するのはニエル・アレストリュブ、ノルドリンクに扮するのはアンドレ・デュソリエ、フランスが誇る名優だ。
本当の話に基づいている物語である。

左の男は、ドイツ軍パリ防衛司令官・コルティッツ。

右の男は、パリ駐在スウェーデン総領事・ノルドリンク。

「5年後のパリを想像しろ」とノルドリンクはコルティッツに言う。パリを救え、と。

”抗命”という問題が出てくる。コルティッツ、ヒトラーの命令に逆らえるのか。妻子を人質に取られているんだ、ヒトラーに。
コルティッツ、ノルドリンクに問いかける。「お前ならどうする」、と。

背後にはエッフェル塔が見える。
エッフェル塔、今もある。

この建物、サンルイ島からセーヌ川を通して見たノートルダムじゃないか。

ノートルダムや凱旋門、エッフェル塔、オペラ座といったところばかりじゃなく、このようなごく普通のパリの街並みも、今に残された。
ドイツ軍パリ防衛司令官・コルティッツとスウェーデン総領事・ノルドリンクとのディプロマシー・外交交渉によって。