今宵、多くの大相撲愛好家の心、やるせない。

大相撲9月場所、今日は14日目である。楽日ではない。
千秋楽を待たず、今場所に触れることがあるとは思わなかった。

ことの始まりは、白鵬であった。
初日、白鵬が隠岐の海に敗れた。
白鵬、2日目も嘉風に敗れた。
先場所の楽日にも記したが、白鵬の力、確実に落ちてきている。ピークは過ぎている。2連敗した白鵬、3日目から休場した。休場は横綱となって初。賢明な判断である。
白鵬不在の場所となった。
力を落としているとはいえ、まだまだ第一人者である白鵬がいない場所となった。優勝の目はどの力士にもある状況に。

突然でありますが、1枚だけこの写真を。
私の贔屓力士・豊響であります。
豊響、今場所は十両へ落ちている。しかし、さすが十両では力の差は歴然、10日目まで全勝。十両優勝をするな、と思っていた。しかし、その後黒星が続き、今日で10勝4敗となった。残念ではあるが、来場所はまた幕へ戻る。豊響、やはり幕内で取ってもらいたい力士である。

幕内ではこの日、10日目までこの男・照ノ富士が全勝できている。
5秒、4秒、4秒、2秒、5秒。どのような力士も瞬く間に仕留めている。

8日目は妙義龍を小手投げで。

9日目は逸ノ城を寄り切って。

いつの間にやら、白鵬がいなけりゃ照ノ富士という状況になっちゃった。
何よりもその証、この優勝額が示している。

照ノ富士、11日目も琴奨菊をふっ飛ばし11連勝。
今場所の形はついたな、と思わせた。が、12日目、なんと栃煌山に敗れる。

で、昨日、13日目の照ノ富士と稀勢の里の一番となる。

照ノ富士の膝が入った。ガクンと崩れた。

照ノ富士、付き人の肩につかまり、花道を下がる。
診断結果は、右膝前十字靱帯損傷、全治1か月。重傷である。

今日、14日目、土俵下控えの照ノ富士。右足を投げ出している。
師匠の伊勢ヶ浜は、「今後のことがある、休場を」、と言ったそうである。しかし、照ノ富士は、「後悔したくない」、と言って出場したそうだ。
問題である。
師匠の伊勢ヶ浜、今は大関とはいえ、ついこの間出てきた若い力士を説得できないのか。押さえられないのか。なさけない。
私の、「やるせない思い」のひとつである。

今日の照ノ富士と豪栄道の一番。
豪栄道、6勝7敗、後がない。

が、豪栄道、力の入らない照ノ富士を寄り切りで破る。
照ノ富士、何故、休場しないんだ。
照ノ富士、大相撲・日本の相撲を舐めたらいかんぜよ。
これも、私の「やるせない思い」のひとつ。

照ノ富士が3敗となったことで、稀勢の里にも優勝の可能性が出てきた。
鶴竜を破れば。

鶴竜、立ち合い、右へ飛ぶ。
しかし、手をついておらず、行司待った。仕切り直しとなる。

改めて仕切り直した後の立ち合い、鶴竜、今度は左へ飛ぶ。
鶴竜、稀勢を破り、勝ったは勝った。
しかし、こんなことでいいのか。天下の横綱が、飛んで勝つなんてことをしていて。
これも、私の「やるせない思い」のひとつである。

明日、千秋楽の土俵では、鶴竜が賜杯を受けているであろう。
しかし、なさけない場所となった。
何のかのと言っても、白鵬不在の場所はこのような「やるせない思い」を抱かせる場所になってしまうのか。
しかし、見るべきものもあった場所でもある。
何と言っても筆頭は、嘉風である。
平幕でありながら、2横綱、2大関、2関脇を倒した。

これは昨日13日目、豊ノ島を足取りで破った嘉風。
嘉風が勝ち越す前、7勝を挙げた時であろうか、解説の北の富士、こういうことを言っていた。
「嘉風、勝ち越せば殊勲賞は確実である。9勝を挙げれば技能賞とのダブル受賞も」と言い、「勝ち星を二桁に乗せれば、三賞総取りも」、と。
そういう状況になってきた。
しかしだ。勢も今日まで優勝争いに食いこんでいる。今日は大関戦で敗れたが、10勝を挙げている。
栃ノ心も頑張った。三役で初めて勝ち越したばかりじゃなく、今日、9勝目を挙げた。
嘉風には、殊勲賞と技能賞。そして、勢と栃ノ心には、敢闘賞をあげてほしいな。
それはそうとして、白鵬の存在の大きさを改めて感じた場所であった。
白鵬がいなければこうなってしまうんだ、ということがよく解かった。
大相撲、日本の相撲がやけに矮小化されていくような感を持った。今場所のありように。
日本の文化である日本の相撲が。



バラク・オバマと習近平、サイバー空間ではやや歩み寄ったが、人権、主権の分野では平行線であった模様。
パックス・チーノ・アメリカーナには至らなかった。


フォルクスワーゲンの不正には驚いた。アメリカのみではなくヨーロッパへも広がっている。
他の国ならば、いざ知らず。まさかドイツで。まさかVWで。