0.5ミリ。

10年後、2025年の日本の高齢者人口は3500万人になるらしい。多すぎる。国民の何割になるのか、いずれにしろその比率は高い。その頃には恐らく、高齢者の基準年齢を切りあげ、その比率を下げていることだろう。
そうは言っても介護の問題、避けては通れない。
『0.5ミリ』、「おしかけヘルパー」の物語。とても上質なエンターテインメント。上手いんだ、監督も役者も。

有楽町のこちら側、ビックカメラを離れると薄暗い。
有楽町スバル座の案内、その中に立つ。

有楽町スバル座に入るとポスターが2枚貼ってある。
「死ぬまで生きよう、どうせだもん」。まさにその通り、文句のつけようがない。

今、最強の姉妹と言われている安藤姉妹。
左は姉・安藤桃子、右は妹・安藤さくら。姉は監督、妹は役者。
安藤桃子、まず小説を書き、それを映像化した。
「冥土の土産におじいちゃんと寝てあげてくれない?」って、介護ヘルパーの山岸サワは派遣先の家族から言われる。添い寝だけとの条件で引き受ける山岸サワ。しかし、大事件が発生する。火が出る。幸いボヤで治まったが、ヘルパーはクビ。「家ナシ、金ナシ、仕事ナシ」の人生崖っぷちの状態に立たされるサワ。
サワはどうするってこととなる。

ところで、1時間は60分である。こんなこと小学生坊主でも知っている。
じゃあ196分は何時間であるか。60で割る。何と196分、3時間以上である。
『0.5ミリ』、3時間を超える物語である。
「家ナシ、金ナシ、仕事ナシ」となった山岸サワ、ワケありジイさんを次々と見つけてはその家に入りこむ、という「おしかけヘルパー」のお話が幾つも続く。安藤桃子、3時間以上の長尺、どうしても必要であった、と言う。
確かにそう。飽きない。

老い、誰にでも訪れる。

ワケあり老人であろうとも、おしかけヘルパー・山岸サワ共に生きる。

「死ぬまで生きよう、どうせだもん」なんだ。死ぬまで生きぬく、人生を全うするってことなんだな。

安藤さくら、怪優である。その芸達者ぶり、次代の大女優となるであろうジェニファー・ローレンスを思わせる。安藤さくらの方が年上ではあるが。
それはそうと、高齢化社会、介護、生きる意味、それらをシャッフル、極上の物語を紡いでくれた。


昨日、ネパールで大地震が起こった。
マグニチュード7.8。震源地は、首都・カトマンドゥの北西80キロ。カトマンドゥが大きな被害を受けている模様である。今現在、死者は2200人を数えると言う。
死者は今後ますます増えていくであろう。カトマンドゥの町中、近代的なビルもあることはあるが、ほとんどは前近代的な建物である。レンガを積み上げたといった建物が多い。それらは崩れ落ちたであろう。多くの人がその下敷きになっているであろう。
カトマンドゥには何度か行っている。関わりのある人も何人かいる。
新しい石油ストーブを買ったが、その説明書が日本語だけなので、どういうことが書いてあるのか読んでくれ、と言ったチベット料理屋のおかみさん。この店は大きいだろう。世界一じゃないか、と言ったタメルの本屋のお兄さん。・・・・・・・・。
あの人たちは大丈夫か、心配だ。
それと共に、ダルバール広場(旧王宮前広場)も気にかかる。
ダルバール広場には、レンガを積み上げたストゥーパを模した多くの寺院が建っていた。ユネスコの世界遺産でもあった。赤茶色で美しい光景であった。それらの多くは倒壊したのではないか。
残念である。悲しくもある。