仮面総展。

京橋から銀座へ。同じ時期、銀座6丁目のギャラリーGKで犬飼三千子が参加している「仮面総展」が開かれている。
実は私、顔面、顔貌を表わしたものが好きである。あちこちで求めた仮面や頭部、多く持つ。エジプトやメキシコなどのものもあるが、多くはインド、ネパール、チベット、カンボジア、タイ、ラオス、ミャンマー、中国、韓国などのアジアの国々のものである。最も古いものは、20年ぐらい前池袋の骨董屋で求めた後漢の俑の頭部。
ちょうど産荷を解いている時に行き会った。10ばかりの後漢の俑が出てきた。中で最もコンディションの悪いものを求めた。最もコンディションが悪いということは、最も値が安いということだから。それでも私にとっては、「エイヤッ」って値であったが。
後漢ということは、約2000年前である。コンディションが悪いだけに2000年前の俑にも思えるが、その真贋は、今もって不明である。
それはともあれギャラリーGK「仮面総展」へ。

ギャラリーGK、銀座6丁目の小さな画廊であるが、その歴史は永いようだ。仮面展を始めてからでも20年になる、とオーナーは話す。
毎年、仮面の後ろの文字を変えている、という。
今年は、”総”。”創”はもちろんあったろう。何年か前には、たしか”窓”という文字もあったような気がする。

ギャラリーGK、外壁窓のこのアングルだよな。

小さく狭いギャラリーへ入る。

「仮面総展」、50人近くの作家が出展している。

左の方に犬飼三千子の作品が見える。
私が行った日、右側の茶褐色の作品の作家がいた。
神谷公明さんという。ずっと作家活動を続けられてきた人。柔らかな物腰の人であったが、表現者としての矜持を保ち続けられてきたのだな、と受け取れる。その話の端々から。

神谷公明の焼締めの作品。
とてもユニーク。

神谷公明公明作≪マスク≫。
まず700度で焼き、その後1300度で焼き締めるそうだ。その後、油絵の具で彩色する、とのこと。

凄い作品だ。神谷公明作≪カオ≫。
焼き締めに彩色した作品、辺りを睥睨する。

右側の二つは犬飼三千子の作品、左側の二つは片岡昌の作品である。
片岡昌、「ひょっこりひょうたん島」の人形をデザインし制作した人であることを教わった。ギャラリーGKのオーナーから。
片岡昌の作品、上は≪マクベス≫11万円、下は≪マクベス夫人≫14万円。

犬飼三千子作≪希望≫。
四角と丸で構成された犬飼のマスクシリーズ、とても面白い。値はたったの5000円。以前私も求めた。皆さまにもお勧めしたいよ。

犬飼作≪のぞみ≫。

ギャラリー内にいた神谷公明さん、外の窓にも作品がある、と言う。
これがあった。やはり焼き締めのこの作品、深い作品だ。

ギャラリーの外の窓には、このようなものもあった。シャレた作品。
大きなものは澤田重人作≪花≫、8000円。小さなものはナンと1000円。
仕事を辞めた後、モノを買わなくなった。面白いな、安いな、と思っても。初めのうちは少し苦しかった。我慢をするのが。しかし、だんだんとそうではなくなった。そういうものらしい。捨てる、減らす時代に入った。暫らく前、ゴミの日に碌でもない本を捨てた。何度か捨てることを繰り返したが、今は中断している。心おきなく捨てる、減らす心境になるには、あと暫らく時間がかかるようだ。増やさないことは、どーってこともなくなったが。
なお、「仮面総展」、3月3日〜8日、京都のギャラリーLittle houseへ回る。