ドラマ春場所。

大相撲春場所、まさかこのようなことになるとは思わなかった。
初場所、優勝こそ逃したが、優勝の白鵬と相星の１４勝を上げた鶴竜の綱取りの場所ではあった。１３勝で優勝ならば、というのが協会の目安であった。
ずいぶん甘いもの、との思いはある。しかし、相撲協会、何ごとによらず大甘体質である故、それはそれでよかろう、と考えていた。そうはなるまい。鶴竜の優勝はあるまい、と考えていたからである。
鶴竜、大関になって２年近くになるが、８勝や９勝、一桁の勝ち星しか上げられない場所が過半である。先場所は凄かったが、２場所続けてそうはいくまい、と思っていた。
ところが、そうではなくなった。
そのドラマの幕あけは、昨日・１３日目の白鵬対琴奨菊の取り組であった。

前日まで、白鵬１２戦全勝、満身創痍の琴奨菊６勝６敗。琴奨菊、勝ち越しが厳しい状況にある。残る対戦相手は、二人の横綱と大関なんだから。
結果は、誰しもが予想したようにはならなかった。私の予想も、もちろん外れた。

琴奨菊、素晴らしい立会いをした。
左上手を取り、白鵬を寄りたてた。

琴奨菊、ガブる。ガブりにガブる。

琴奨菊のガブり、凄まじいものであった。
白鵬、たまらず土俵を割る。

白鵬、寄り倒される。

白鵬、１敗となる。
琴奨菊は、７勝となって勝ち越しに希望をつなぐ。

今日、春場所１４か目、結び前の一番。
白鵬対鶴竜。

今までの対戦成績。白鵬３０勝に対し、鶴竜３勝。
鶴竜の勝率、１割である。

鶴竜、両手突き。

左上手を取る。

寄り切る。

勝負がついた後の鶴竜。

１敗、鶴竜。２敗、白鵬、日馬富士。

この後の結びの一番、日馬富士、琴奨菊に敗れた。
琴奨菊、これで勝ち越した。
琴奨菊、明日・千秋楽では、心おきなく過ごすことができる。鶴竜との取り組みには負けるであろう。鶴竜の横綱昇進にエンヤ、色をつけるであろう。
相撲、伝統芸能でもあるからな。