過去の亡霊だ。

ここ1〜2年、ナショナリズム乃至はペイトリオティズムという病菌に冒された亡霊たちがあちこちに出没している。
で、私たちの身の周りでは、日韓関係とか日中関係がギクシャクしている。
今日、遠く離れたヨーロッパで、より大きな病菌に冒された亡霊が演説した。
ロシア大統領・ウラジーミル・プーチン、クレムリンに上下両院議員を集め1時間近くに及ぶ演説をした。一昨日の住民投票によりロシアへの編入が表わされ、昨日、自治政府のロシア編入決議が行なわれたクリミアのロシアへの編入を認めた、という演説。
「要請に応じなければ、裏切りとなる」、とプーチンは語る。
しかし、これは編入ではなく併合だ。武力による併合である。
過去の亡霊の再来だ。
1938年、ナチスドイツを率いるアドルフ・ヒトラーは、チェコスロバキアのズデーテン地方を併合した。
英仏の首脳は宥和策をとった。そこまでで納めてくれれば、ということで。しかし、そうはならなかった。ヒトラーの野望、ポーランド、ハンガリー、さらにヨーロッパ全土に広がっていく。第二次世界大戦となる。
ロシア大統領・ウラジーミル・プーチン、1991年の旧ソ連崩壊を快く思っていないようである。大ロシアが分断、バラバラになっってしまった、と。ゴルバチョフとエリツィンのせいだ、と。
ウラジーミル・プーチン、帝政であろうと共産主義であろうと、その政治形態はどうであれ、大ロシアということのみを考えている。だから、過去の亡霊と同じように、他国の領土も平気で併合する。
欧米は制裁を打ちだし、実施している。しかし、その制裁、さしたるものとも思えない。70〜80年前のヒトラーへの対応と同じく、腰が引けている。
過去の亡霊が取りついたウラジーミル・プーチン、ますます増長するに違いない。
その国内では、チェチェンでの民意なんてことは認めず、ボコスカに叩きながら。こういうことは、ローカル。
2014年3月18日、過去の亡霊、ひょっとすると、それが現われることがワオーってことかもしれない、な。