SOMARTA × Smart。

MOT・東京都現代美術館のエントランスホールの一角に、このようなものがあった。

クルマだ。やけにハデに彩色されている。何だこりゃ。
マネキンが立っている。そのファッションとどこやら繋がっている。

こういうことなんだ。
”FUTURE BEAUTY”の特別展示なんだ。
「ソマルタ」と「スマート」のコラボだという。
しかし、私は、「ソマルタ」も「スマート」も知らない。何なんだ。彼らは。

「日本ファッションの未来性」の会場に入る時に貰った資料(正方形を対角線に折り、それを、また二つに折った二等辺三角形。こんな余計なコストをかける必要があるのか、と思うが、この程度の遊びも必要であろう、とも思う)には、40人近くの出品作家のプロファイルが記されている。三宅一生や川久保玲、山本耀司はもちろん、若い人まで。
「ソマルタ」のデザイナー・廣川玉枝については、こう記されている。
<文化服装学院卒業後、イッセイ ミヤケを経て、2006年「ソマ デザイン」として活動開始。同時にデザインプロジェクト「ソマルタ」を立ち上げる。07年春夏より東京コレクションに参加。「身体における衣服の可能性」をコンセプトに「Skin Series」というボディウェアを発表。インスタレーション作品の発表も行う。07年、毎日ファッション大賞新人賞、資生堂奨励賞受賞>、と。

ソマルタを立ち上げたデザイナー・廣川玉枝、まだ30代半ばのようだ。イッセイ ミヤケで8年間ニットデザインを担当し独立、自らのブランドを立ち上げた。
彼女のオフィシャルサイトを見て驚いた。
ファッションは当然だとして、グラフィックデザイン、サウンドクリエイト、ビジュアルディレクションを業務形態とする、となっている。
この「スマート」とのコラボもその一環なのであろう。

クルマの顔面。
SOMARTA × smart fortwo。廣川玉枝とメルセデス・ベンツとのコラボ。
メルセデス・ベンツがこんな小さな車を出しているとは、知らなかった。

ソマルタ・廣川玉枝の2012年春夏コレクションのデーマは、鳥であったそうだ。
マネキンが着ている服も鳥をイメージしたもの。そして、メルセデス・ベンツの車にも、不死鳥・サンダーバードをイメージした彩色をほどこしたそうだ。

廣川玉枝、メルセデス・ベンツとのコラボばかりじゃなく、その空間、3次元空間のデザインも私に任せろ、と言ったに違いない。

廣川玉枝とメルセデスとのコラボ、クルマへの彩色、エッジが利いている。ハードエッジである。それと共に、ソマルタ・廣川玉枝のファッション、どことなくウォーミングでもある。