東博140年(続き)。

この日、表慶館の外れにこのような案内板があった。

WASABI、和楽器の新しいユニット。今、人気があるらしい。
これも、この日一日だけの、東博140周年記念の「スペシャルありがとうデー」の催しのひとつ。

法隆寺宝物館の方へ歩く。
あちこち、電飾の灯りが灯る。ライトアップされた法隆寺宝物館の前の池にも灯りが浮かんでいる。
既に多くの人がいる。WASABIの演奏、もう始まっている。


右側に”TNM 140th”の電飾が見える。
”トウキョー ナショナル ミュージアム 140周年”、のイニシャルである。

WASABI、琴、三味線、尺八、太鼓、という和楽器の集合体である。

WASABI、津軽三味線の吉田兄弟の兄貴・吉田良一郎が率いるユニット。

途中でマイクを持つ吉田良一郎。
まだ若い。和の楽器で海外公演にもチャレンジしている。こういう連中がいることは、とてもいい。
若い連中、どんどん海外へ出て行かなくっちゃ。日本から出ることもなく、チャチな愛国もどきの呟きを繰り返している若い連中には、そのような寂しいことは止めろ、行動しろ、と言いたい。津軽三味線一丁を持って世界へ飛び出している吉田良一郎を見習え、と。

法隆寺宝物館の中から見ると、宝物館の前の池にも灯りが灯っているのが分かる。

久しぶりに法隆寺宝物館へ入る。
法隆寺宝物館の宝、明治11年(1878年)、法隆寺から皇室へ献納され、戦後、国へ移管された宝物である。約300件ある。

小さな佛像がズラッと並ぶ。30センチ内外の立像。すべて、重要文化財。
ほとんどは、観音菩薩立像。銅製鍍金。飛鳥時代、7世紀のものである。

飛鳥時代、1400年前の銅製鍍金の佛像、頭飾に化佛という像が多い。手前のこの像もそうである。

この日の法隆寺宝物館の前、暗闇の中にWASABIの演奏を聴く人々のシルエットが浮かぶ。その手前には、ガラスの器に入れられたキャンドルが灯る。
不思議な時間を醸し出していた。