愚かな遊戯。

昨日の北朝鮮による延坪島への砲撃、韓国軍兵士ばかりでなく、今日、民間人の死者も出ていることが判明した。軍民合わせて4人の韓国人が殺された。
北朝鮮、愚かな遊戯をやっている。アウン・サン廟爆破事件を思い出す。
1983年10月、ビルマの首都・ラングーンのアウン・サン廟が爆破された。ビルマ建国の父といわれるアウン・サン将軍(あのアウン・サン・スーチーさんの父)を祀る廟が。当時のビルマは、その後名を変えた今のミャンマーのようなヘンな国ではなく、東西等距離の外交姿勢、という国だった。ビルマを訪れる外国首脳は、アウン・サン廟へ献花するのが習わしであった。
当時の韓国大統領・全斗煥一行もアウン・サン廟を訪れる。北朝鮮の工作員が全斗煥の暗殺を狙う。しかし、暗殺者は、全斗煥の車列と前の車列とを見間違え、廟に仕掛けた爆弾のスイッチを押す。殺されたのは、随行員たちだった。わずかの差で全斗煥は暗殺を免れる。
金日成がまだ生きていた頃であったが、実際に計画を練り、謀議を主導したのは、金日成の息子、そして、後継者である金正日だと言われている。軍部を抑えるための愚かな実績作りのために。
今年9月、金正日の後継者として、やはり息子の金正恩が登場した。昨日の死者が出た韓国陸地への砲撃、朝鮮戦争休戦以来初めてのものだという。金正恩がやったのでは、という気がしないでもない。理由は、アウン・サン廟爆破事件の時の金正日と同じ。軍を抑えるための愚かな実績作り。
まだ27歳、何の実績もない。そんな男が、人民軍の大将であり、中央軍事委員会副委員長である。笑っちゃうが、北朝鮮はそういうヘンな国なんだから、それはしょうがない。その男が、実績作りのために、子供の火遊びのようなことをしたのではないか。周りに、それを焚きつけるヤツもいるだろうし。愚かな遊びを。

今日、アメリカは、北方限界線近くの黄海での米韓軍事演習に参加させるため、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を派遣した。
それはともかく、今日、朝鮮日報のウェブサイトを見ていたら、こんな記事があった。
暫く前、スタンフォード大学のヘッカーという教授が北朝鮮を訪れ、ヨンビョンの核施設に案内された、ということは日本でも報じられた。2000基の遠心分離器が稼働中のウラン濃縮施設に。アメリカへの挑発、牽制だと言われている。
だが、このヘッカーという人、ロスアラモス国立研究所の所長をやっていた人、核の専門家だ。2000基の遠心分離器を1年間稼働させれば、ウラン弾1個を作ることができるそうだ。そこで、朝鮮日報の記事、こう書いている。
金正日は、プルトニウムの核爆弾を目指した。しかし、金正恩は、ウランの核爆弾を考えている、と。
ウランの核の方が、プルトニウムの核よりも、はるかに破壊力が高いそうだ。金正恩は、それを目指している、と。
27の若造に、核の火遊びまでやられたんじゃ、たまらない。